チームエアロセプシー、世界記録挑戦へ
著
@TeamAeroscepsyの5月6日のつぶやきより引用:
【告知】ヤマハ チームエアロセプシーは、5月末から6月末までの期間中、人力飛行機による飛行距離新記録への挑戦を行います。実施予定日は5月29日(土)と6月中の全ての土日曜日、場所は静岡県富士川滑空場〜駿河湾海上、115kmの世界記録更新を目指します
……同チームの最近の試験飛行の様子をYouTubeで拝見しましたが、とても安定して飛ばせているように見受けられましたし、いよいよですね。5月29日というのは、たまたま僕が今年になって初めてWASAの試験飛行を見る機会として富士川滑空場に行くつもりの日だったので、ラッキーというか、6月に入ってからも毎週通い詰めたい感じです。それだけ、今回の世界記録挑戦には注目をしていますし、記録の更新を期待もしています。
MITのDaedalus(正確には「Daedalus 88」)が人力飛行における飛行距離と飛行時間の世界記録を樹立したのは、1988年4月23日のこと。そのときの記録は、距離72.44マイル(約115.9キロメートル)、時間にして3時間54分59秒。鳥人間コンテスト人力プロペラ機部門に出場する常連(チームエアロセプシーを含む)のなかには、Daedalusの記録を破れるであろうポテンシャルを有するチームもだいぶ前から登場していましたが、世界記録更新への挑戦機会というのは、国内はおろか海外を見渡しても無かったと思います。
かつては100マイルを人力で飛ぶ計画、RAVEN Projectというのがあって、自分も1997年の春から夏にかけてのわずかな期間ながら参加しました(いまなお僕の名前もThe Raven Teamに記されている)。リソースや資金の不足から立ち行かなくなった同プロジェクトは残念ながら2001年に終了しましたが、当時からDaedalusの記録が破られる瞬間に立ち会うのは、自分のなかでひとつの夢として想い描いて来たことでもあります。
国内の人力飛行としては、2005年8月6日に日本大学航空研究会のMöwe21が飛んだ1時間48分12秒、49.172キロメートルという記録が目下最長(日大の人力飛行機製作レベルは世界一参照)。実は前年の2004年3月21日、同じく日大のMöwe20が46分40秒・11.87km(※認定前の非公式の数値)という飛行を行い、それまでチームエアロセプシーが保持していた日本記録の10.9キロを破っていました(日経ものづくり創刊2号/今月の記録/こぎにこいだ12km,人力飛行日本一参照)。Möweの飛行場所はいずれも駿河湾で、Möwe20のときは自分も見学に出向きましたが、あいにく気象条件が悪く離陸を見れなかった思い出があります(Möwe20の挑戦&人力飛行の日本記録更新参照)。とにかく、今回チームエアロセプシーが世界記録を塗り替えれば、同時に日本記録も更新、日大に対してリベンジを果たすことにもなるかと。
できることなら記録挑戦中の飛行の模様もずっと見ていたいものですが、船を一隻チャーターでもしなければ無理な相談。しかも「いつ」飛べるかは分からないものだから、チャーターするにしても実際に飛行を行う一日だけとはいかない可能性が高く……まぁ無理ですね。だからこそせめて、その記念すべき離陸の瞬間には立ち会えるよう、予定を最大限調整していきたいと思っています。