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東京シンポジウム「宇宙と人間」

講演を始める土井宇宙飛行士

学士会館で催された東京シンポジウム 「宇宙と人間」−未来を拓く人類の活動領域の拡大−に参加しました。会場に到着したのが結構ギリギリになってしまい、昼食を取ることができなかったうえ、都合5時間半近くにも及んだにもかかわらず途中15分の休憩が1度しかないという結構無茶なプログラムのおかげで、体力的にかなり辛かったです。エネルギーが途中で切れてしまい、軽く気絶気味の時間帯もあったなぁ……しかし、話のネタ的には初めて聞くものが多かったし、久々の宇宙イベントということもあって、楽しかったです。日本宇宙フォーラム在籍時にお世話になった方々にも、全員ではないけれどご挨拶できましたし(退職して既に9年が経とうというのに、覚えていてくださって光栄というか恐縮です)。

第1部の人文社会科学からのアプローチのなかでは、国際高等研究所フェローの木下氏のお話が圧倒的に面白かったです。氏のスライドからいくつか印象的だったフレーズを引用しておきます:

また、同じく木下氏から先進国サミットや国連総会、安保理事会を宇宙空間で!という提言がありましたが、実は僕も中学生とかそれぐらいの時分に真剣に考えていた内容だったから、荒唐無稽であることは百も承知のうえで激しく同意です。何もそういう会議体を本当に宇宙で開催せずとも、国境のない世界、美しくも脆弱な地球の姿を、政治的上位レイヤーに位置する方々が目の当たりにする機会が少しでも増えるといいなぁ、とは今も思っています。

次いで面白かったのは、やはり土井宇宙飛行士や的川氏の参加した第3部でしょうか。特に土井氏の講演のなかで、アメリカのスペースシャトルやモジュールは航空機っぽく、ロシアの宇宙船やモジュールは船舶(潜水艦)っぽいなどと相違を整理したうえで、今後日本が独自に有人ロケットを作るには後者のアプローチが有効だろうとの論が興味深かったです。有翼型よりもカプセル型のほうが多くの面で取り組みやすく信頼性も稼ぎやすいであろうことは間違いないけど、日本の産業の特色を踏まえても同じ結論に落ち着くのね?とか。

そうそう、第3部の冒頭で、会場にいらしていたJAXAの新しい2名の宇宙飛行士候補者が紹介もされたのですけど、最後の質疑応答で御二方に言及があったとき、立川JAXA理事長自らマイクを取って「(日本が独自の有人宇宙活動を目指すことと二人がパイロットである事実とは)関係ない」と断言していたのも興味深い。今回選抜された人に期待しているのはあくまでもISS内での宇宙実験やISSのメンテナンスと強調されていましたが、どうでしょうね。偶然にしては……という印象が個人的にはどうも強過ぎて、火消し(謎)に躍起になっているようにすら感じてしまうのですが、考え過ぎでしょうか。( [2009-03-08追記] 本件については、5thstar_管理人_日記: なぜパイロットが選ばれたのか?が必読です。)

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