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そろそろIE8の新しい標準モードとモードスイッチについて一言(ry

タイトルはもちろんネタで。目下、賛否両論が渦巻いていると思しきIE8の新しい標準モードとモードスイッチについてですが、そのアイデアに賛成か反対かを問われれば、僕は反対だと答えるでしょう。

第一に、特定のブラウザ=IE向けに特別な記述なり設定を必要とする点に、標準準拠という方向性との矛盾を強く感じます。閲覧環境が今日あるまでに多様化し、また今後一層その傾向に拍車がかかるであろうご時世に、IEのためだけの特殊なケアをしなければ他の(標準準拠を推進する)ブラウザとの整合が取れないだなんて、ナンセンスです。また、そのケアに要する時間的/金銭的負担を(Microsoft側ではなく)コンテンツを制作する側が強いられるというのも、おかしな話だと感じます。これでは、Web標準に準拠していくというMicrosoftの言葉はお題目、所詮リップサービスに過ぎなかったと言われても仕方がないように思います。

第二に、後方互換性を重視したがゆえの判断らしいのですが、その理由に納得できません。IEのシェアを失いたくないMicrosoftにとって、それは至極真っ当な判断でしょうし、ゆえに某氏が口癖のように語る「Don't Break the Web.(Webを壊してはならない)」とのフレーズは、もっともらしく聞こえます。しかしそれは、あくまでもIEを使い続けたいユーザにとってのみ有意義なフレーズであって、IEの仕様がいくら変更(Web標準への準拠の度合いが高まる限りにおいては「改善」と呼んだほうが正しいかもしれません)されたところで、IE以外のブラウザを使うユーザには基本的に影響が無いはずなわけで……Webが壊れるなんてことはまず起こり得ないと思います(むしろこのアイデアが現実のものとなったほうが、状況が複雑化することでMicrosoftの言うところの「Webが壊れる」危険性は高まるのでは?)。

第三に、これは上記第二項と内容的に重複するのですけど、後方互換性はさておき前方互換性への配慮はどうなのよ?という点。前方互換性は後方互換性と等しく配慮されて然るべきと思いますが、IE8の登場を機に以後「永続的に」meta要素なりHTTPヘッダのメンテナンスが(Web標準準拠のメリットを享受するのに)必要とされるなら、それはあまりに偏った(後方互換性に重きを置きすぎる)判断ではないのかなぁと。Webが今後も継続的に発展していく前提においては、過去よりこれから未来に制作されるコンテンツがどうあるべきか、をもっと重視すべきだと思いますが。

……概ねそんなところです。ほかにも、WinIE8 モード - カナかな団首領の自転車置き場にあった特殊なモノに、「印」をつけるのが普通のやり方なんぢゃねーのかなあのくだりに賛同したりだとか、Hixieが言及しているような他のブラウザベンダへの影響に対する懸念もありますが。

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