「宇宙へ〜冷戦と二人の天才〜」前半
著
かくさんが録画しておいてくださった、BBC制作のドキュメンタリードラマ「宇宙へ〜冷戦と二人の天才〜(原題:Space Race)」の第1回、第2回を見ました。全4回シリーズのうちの前半を見終えたことになります。第二次世界大戦の末期、敗戦の気配濃厚なドイツにおいて、フォン・ブラウン博士がV2ロケットと共にロシア軍の侵攻を避けるべく南下するシーンに始まり、スプートニク1号の快挙に遅れること3ヶ月後、アメリカ初の人工衛星であるエクスプローラ1号が打ち上げられるまでが描かれています。なるほどこれは面白いドラマですね。セルゲイ・コロリョフとフォン・ブラウン、二人の天才それぞれが置かれた状況や選んだ選択肢の対比が克明に描かれています。
プチ自慢なんですけど、第1話の冒頭でちらっと登場するバルト海に面したV2ロケット開発の最前線、ペーネミュンデにかつて出張で出向いた経験があります。V2ロケットはあくまでも兵器であり、そこはまぎれも無く秘密基地だったのですが、いわばペーネミュンデこそ現代ロケット「生誕の地」。その場所で日本の宇宙開発に関する展示会を行うための準備で行ったのですけど、初めて宇宙空間(高度100キロメートル)に到達させたときの発射台がかつてあった場所を訪れることができたのは、一生の良い思い出です。草が生い茂ったなかにも激しい空爆にさらされた跡が生々しく残されていたのもよく覚えています。当時撮影した写真、いずれ機会があればWebで公開したいと思います。日本からアノ場所を訪れたことのある人は、さほど多く無いのではないかと思いますし。ひょっとして「宇宙へのパスポート」シリーズの中で紹介されてたっけ……まだ最新刊は読んでないけど、確かまだだったような気が。
そうそう、エンドクレジットのなかで日本語版制作スタッフのなかに昔の上司のお名前を発見したのは嬉しかったです。若造の自分がペーネミュンデに行く機会を授かったのも、その上司の方のおかげだったりしまして。