「はやぶさ」がイトカワに到着
著
小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」が、その目的地とするところの小惑星イトカワに到着したというプレスリリース。探査機はイトカワから地球方向に約20キロメートルの距離に静止
とありますが、地球からの距離約3億2000万Kmに比べればまさに目と鼻の先、否、それ以上。最近あまりお目出度いニュースを耳にしていなかった気がしていただけに、これは素晴らしい出来事であり、また世界に誇れる快挙ではないかと思います。国際宇宙大学(ISU)を通じてお世話になった矢野さんは、きっと今もなお同探査機の運用に携わられていると思いますが、さぞかし嬉しく思っていることでしょう。もっとも、探査という意味ではこれからが本当の意味での正念場を迎えることになるわけで、浮かれてばかりもいられないのが実情でしょうが。
「はやぶさ」とは対照的に、目的地の火星まで無事にたどり着くことのできなかったのが「のぞみ(PLANET-B)」。多くの科学的成果を挙げたとはいえ、予定されていた火星探査ができなかったという意味では失敗した事実に変わりは無く、ゆえに「ネガティブな宇宙ネタ」の大好きなマスコミには頻繁に取り上げられた時期もありました。しかしその当時に培われた技術(通信の確立など)が、実際には「はやぶさ」の運用にフィードバックされ、着実に生かされていることを聞き知っていますから、いまだ宇宙空間の片隅で太陽を周回し続けている「のぞみ」自身も、やはり嬉しく思っているのではないでしょうか。
次に予定されている「はやぶさ」のイベントは、イトカワ表面への降下・試料採取。降下中はどの程度情報がリアルタイムに公開されるかはわかりませんが、降下開始の瞬間を楽しみに待つことにします。