ハウルの動く城
著
2004年の締めくくりとして「ハウルの動く城」を有楽町スカラ座1で観てきました。「生きる楽しさ、愛する歓び。」というのがキャッチコピーなのですけど、見終わった時点ではそれらを感じ取ることができなかったのは残念。むしろソフィーの呪いが解けていくのが何に起因しているのかがはっきりしない等、ファンタジーとはいえ釈然としない点のほうが気になってしまって。
それまで無為な日々を送っていた少女が、生きることの意味を見出すプロセスを追ったという点で、完全に前作の「千と千尋の神隠し」とダブって見えてしまったというのが要因かな。のっけからソフィーとハウルがくっついて(ぉぃ)ハッピーエンドという展開は誰もが了解のうえで観ていると思うんだけど、ソフィーがハウルへの想いを口するタイミングに強い違和感を覚えたせいかもしれない。原作を読んでいたら、もっと楽しめたんでしょうか?しかし映像はやっぱり綺麗なんで、そこそこ楽しめましたけども。動く城はただ歩くという行為それだけであっても可動部が多くて見ものだし、スイスかどこかのような情景、特に流れる雲や湖の穏やかな水面の描写は素晴らしかったと思います。
この映画、ハウルの声に木村拓哉が出演するという点でも注目してましたけど、美青年役ってことで(かえって自然過ぎて)観てる最中は気に留まりませんでした。むしろ声の出演者の中では荒地の魔女役の美輪明宏が秀逸。もう、彼(彼女?)をおいてほかに相応しい人なんてあり得ないナ!というぐらい見事でした。