「ネットの未来」探検ガイド
著
歌田明弘著「『ネットの未来』探検ガイド—時間と言葉の壁を超える」を読了。昨日Amazonから届いた本のなかの一冊ですが、岩波アクティブ新書という薄いうえに行間も広く文章量がさして多くない本だったんで、まぁ読み終えるまではあっという間。なんか凄く久しぶりに一冊の本を「一気に」読み終えました。
内容は、昨今のインターネット上で知っていると便利なツールやサイトを紹介し、かつそれらに驚こう、というもの。今年の1月に発行されたようなので、特に最近流行しているSNSネタは登場しないのですけど、その点を除いては概ね、ネットの世界の今後をあれこれ夢想して楽しむに十分な「現状の総括」を提供してくれます。副題にあるように、時間や言葉の相違を超えてネット上のあらゆるリソースが利用可能になりつつある中で、その真価の恩恵にあずかるにはまだ若干の時間が必要(特に言葉の壁のほうがまだまだかな)ですが、楽しみでもあり、また怖くもあります。その怖さとは、第5章の末尾で著者も指摘している、多様性の放棄に伴う影響への懸念。あるいは、バベルの塔(となったネット)が何かしらの要因によって後退を余儀なくされるのではないかという漠たる不安。
Webの本格的な利活用が始まってまだ10年そこそこにも関わらず、世界はネットの影響から大きく変貌を遂げてきたと思います。先日W3C設立10周年記念式典に参加したときにも感じたことですが、自分自身がこのエキサイティングな(死語)時代を生きていることが何と有難いことか、そんなことを感じました。