宇宙ロケットなるほど読本
著
阿施光南著「宇宙ロケットなるほど読本—有人宇宙開発の歴史がよくわかる」を読了。当初はタイトルからして、ロケットばかり紹介している本かと思いきや、実はそうではありませんでした……といっても、あらためて確認してみたらサブタイトルに「有人宇宙開発の歴史がよくわかる」とあるし、ロケットと有人飛行を切り離して話題を展開するのも寂しい(謎)わけで、これはこれでアリでしょうか。
ジュール・ベルヌのSF小説「月世界旅行」に登場する宇宙船の紹介に始まり、最近のコロンビア号の事故や中国の有人宇宙飛行といったトピックスまでが網羅されています(それにしては、1997年に起きた宇宙ステーション「ミール」の事故が紹介されていないのは不自然な気がする)。X-15やリフティングボディの紹介のあたりはややマニアックだなぁと思ったんですが、阿施さんの他の著作には航空機関連のものが多いことを知り、納得。
最終章で、人間を宇宙へ送り出す理由として「単純に『夢』しかない
」と書かれていますが、その割り切り方は安直な印象を通り越して潔いという気すらしました。