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覚え書き

2015年はWebアクセシビリティの普及に向けた勝負の年

しわっす(挨拶)。何一つクリスマスっぽくないクリスマスを過ごしていますが(ひねくれ者ですみません)、皆様いかがお過ごしでしょうか。ついに12月25日、Web Accessibility Advent Calendar 2014最終日を迎えました。昨年同様、参加者の皆様のWebアクセシビリティに関する知見や想いについて、さまざまな切り口・視点からの記事を日々、楽しませていただきました。本当にありがとうございました、カレンダー作成者(または「言い出しっぺ」)冥利に尽きます。

昨年の自分は、Webアクセシビリティ・ファーストというサイトをお披露目したものの、今年はそのようなネタ(ネタ?)を準備する余裕は微塵も無く......それどころか、同サイトはその後ほとんど更新できぬまま現在に至るという。まぁほそぼそと現状を維持するかもしれないとは書いていたので、ある意味では宣言通りの状況でもあるのですけど、我ながら酷い体たらくですね......かろうじて、6月にロゴを作っていただけたのがせめてもの救いか。

とまぁ準備不足を言い訳にしたいだけの前置きはこれくらいにして、そろそろ本題(の内容の無いポエム)に入ります。今年もさまざまな出来事がありましたが(とある文脈では「豊作だった」とも表現するらしいw)、なかでも強く印象に残っているのが野々村竜太郎(ののちゃん元県議)氏の号泣会見。その模様は海外メディアでも紹介されたほどのインパクトを残し、自分もちょっとあの態度は無いよなぁという感じで失笑こそしたものの、しかし彼が泣きじゃくりながら「日本を、世の中を変えたい」と言っていたのを(たとえそれが彼にとっては一種のポーズだったにせよ)馬鹿にするつもりにはなれなくて。

個人的理想に向けて社会をより良くデザインする、ということ

だって僕だって日本を、世の中を変えたい。人にはそれぞれ理想があるように、僕にも理想があって、自分の周囲や環境、ひいては世の中を個人的理想にできるだけ近づけたいと思っている。その近づける行為にこそ、社会的文脈における己の存在意義はあると思っている。よく自己啓発本の類で、「好きなこと」や「やりたいこと」を仕事にしようみたいなフレーズがあるけれど、この歳(41です生きててすみません)に至って思うのは、社会を自分の理想に近づけること、つまり社会をより良くデザインすることをこそ、日々の仕事として取り組むべきなんじゃないかってこと。

で、お前の理想は何かって? まぁ、わかりますよね。Webデザインにおいて、アクセシビリティを第一に重視しようという考え方、つまり「Webアクセシビリティ・ファースト」を広めたい。そしてWeb業界に、社会に、アクセシビリティの重要性を広く根付かせたい。Webアクセシビリティを確保することがごく普通の、当たり前な行為になって欲しい。仮にそうなれば、それを強みの一つとして業界に生き残り続けるために超えるべきハードルが(僕個人にとっても勤務先にとっても)上がるかもしれないけれど、それはむしろ望むところです。

Webアクセシビリティを当たり前に、というのはあくまで手段であって、目的はまた別。それは真の意味で「いつでも、誰でも、どんなデバイスからでもアクセスしやすいWeb」を実現するということ(これは先だってHTML5Experts.jpのインタビュー記事でも掲載していただいたフレーズ)。時事刻々と老いるいっぽうの自分が、死ぬまでWebを利用し続けられる可能性が高まる、といった利己的な動機は当然あるにせよ、そこにはアクセシブルなWebが僕個人の人生だけでなしに、きっと社会全体を豊かにするはず、という強い信念があります。

Webアクセシビリティがもたらす豊かさを信じて

Webは素晴らしい。何をどう作文すればその素晴らしさを伝えることができるのか、自分の文章力ではとても表現できなくて悔しいくらい素晴らしい。ただ僕の場合、Webの素晴らしさに取り憑かれるその前に、まず電子メールに感動した経験がベースにあります。

学生時代、鳥人間サークルに所属し、寝食を惜しんでそれこそ授業も忘れて(おい)人力飛行機の設計・製作・操縦に明け暮れたなか、先輩のひとりが電子メールでMark Drela教授と直接やり取りしていると聞き、そりゃもうエラく驚いたし、凄い時代になったと思ったものです。もちろん教授のフランクさ、オープンさというのも感動の要素にあったにせよ、電子メール、ひいてはインターネットは「すげーっ」てなって。ちなみにDrela教授というのは、今なお各種の世界記録を保持するMITの人力飛行機、Daedalusの空力設計を担当された方で、僕からすれば雲の遥か上の御方なのだけど、96年の夏にいちど研究室に訪問させていただいた思い出があります。

僕が電子メールに感動したその根幹には、人と人が時間とか物理的距離を超えてつながれる可能性、があります。電子メールでさえそうなんだから(と言ったらいささか電子メールには失礼?かもしれないが)、いまどきのWebの凄まじさと言ったら、ねぇ。お若い方々は生まれながらにして世の中にインターネットが存在し、Webもあったわけだから、これ同じような感動というのは味わったことが無いかもしれないけれど、でもその素晴らしさには気づいて欲しいかな......。

閑話休題。アクセシビリティがWebのもつ素晴らしさ、具体的には「人と人が時間とか物理的距離を超えてつながれる可能性」の一部を担保していて、そしてその可能性が社会に豊かさをもたらす、という風に自分は考えています。考えているというより信じている、と言ったほうが正確かも。時としてその可能性が残念な、不幸な事態を招くこともあるにせよ、社会全体にとってはポジティブに違いない、と信じていて。

来年、2015年は勝負の年

だいぶいい感じに支離滅裂な文章が仕上がりつつあるけれど、所詮内容のないポエムなのでご容赦願いたい。でまぁ、Webアクセシビリティを当たり前に近づけるうえで、来年は凄く重要な一年になると思っています。みんなの公共サイト運用モデル改定版(2010年度)において公的機関のウェブサイトがJIS X 8341-3:2010の等級AAに準拠する目安とされた期限を迎えるし、障害者差別解消法に基づく基本方針が固まりつつあり、2016年の施行に向けた具体的内容の周知期間に差し掛かるし、JIS X 8341-3は5年ぶりに改正の予定だし、そういうの(何)抜きにしたってWebアクセス可能なデバイスは引き続きどんどん多様化するだろうし、ばけらさん伊原さんの待望のWebアクセシビリティ本『デザイニングWebアクセシビリティ - アクセシブルな設計やコンテンツのための実践Q&A』も発売されるし、アクセシビリティやるぞ!祭りの続きを企画中だし。言ってみれば、Webアクセシビリティの普及・啓発を進めてきたつもりの自分にとっては勝負の年になりそう。いっぺんにとはいかずとも、ここである程度キャズムを越えられないと、2016年以降がつらい。まぁでも、きっと越えられる。越えよう。テーブルレイアウトからCSSレイアウトへの脱却だって、できたじゃないか。

そういうわけで来年もまた、Web Accessibility Advent Calendarでお会いしましょう。

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