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日本スペースガード協会 公開講演会

なんと参加費無料、しかも会場が僕にとっての通勤途中に位置する工学院大学新宿キャンパスということもあり、日本スペースガード協会の公開講演会に参加してきました。参加者数はざっくり20〜30名程度だったでしょうか。講演会の後に2009年総会が予定されていたこともあり、どの程度の人数が内輪っていうか協会の会員かはよくわかりませんが、参加者の平均年齢はかなり高かったような。

スペースガード2009・協会日食ツアーについて(高橋 典嗣氏)
協会の活動についてと、今年催す日食ツアーという、2つの異なるテーマについての講演。とはいえ、日食ツアーを契機に会員数が急増した(ツアーに申し込みたいがゆえに会員登録をしたご一行?がいらっしゃるとか)ということで、一応テーマは相互にリンクしている、と。これまでは地球を護るために災害情報の収集、災害リスクの分析、災害リスクの評価が中心の活動をしてきたけれど、2009年に向けては災害の対策や災害のリスクマネジメントにシフトしていきたいそうです。日食ツアーについては、天候次第であって100%を期待してはいけませんと釘を刺しつつ、日食当日の過去の気象データを元に考える限り上海らへんの選択は悪くない、云々。
スペースガードの国際的な動き(吉川 真氏)
話の中心は、小惑星「2008 TC3」について。これは昨年10月6日に発見され、数時間のうちに地球への衝突が予測されたもの。衝突速度は12.8km/s、似たような衝突は、数ヶ月に1回くらの割合で起こるものの、事前に予測されたのは初めてらしい。世界的に観測に取り組んだおかげで、衝突場所の誤差楕円を1km幅程度にまで狭められたことが確認されており、今後の災害最小化に向けた取り組みとしては興味深い。また世界的な動きとして、ASECOPUOSIAFのNEOについての技術分科会などでの動きが紹介されました。全体的に活発化しているのと、観測から防御に論点が移行している模様。4月にはPlanetary Defense Conferenceなんてイベントがあるらしい。
日本の探査機「かぐや」が見た月世界(春山 純一氏)
この日の講演会のメイン?というか、前2つの講演が割と前倒しで終了して、こちらの講演にできるだけ時間を割くよう配慮していたように見受けられましたが、それでも予定の15時には終わらず結局15時半までお話は続いたという。理学と工学が共に手を携えることの意義に対する感動が、SELENEという名前に対する思いとリンクしているとのお話が個人的には良かったかな。加えて、ハイビジョンカメラが捉えた地球の画像が初めて地上で表示したときの逸話。すべてが完全に機能していたからこそ「ど真ん中に映った」というところの話はアツかったです。世間体的に「カメラの失敗はプロジェクトの失敗」というプレッシャーが存在するなんて、思い及ばないもの。
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