Little Wing '94 当日の朝からプラットフォームに移動するまで
そして迎えた当日の朝。天候はくもりでした。飛行は25機中12番目と、決して早くはなかったのですが、不測の事態に備えて早めに機体の組み立てを開始。
それでも尾翼の取り付けに手間取り、最終的にはかなり焦りながらの組み立てとなりました。僕自身でも、製作に参加した駆動系周辺を自ら点検したりはしたものの、かなり緊張していたように記憶しています。
組み上げられた機体とともに、プラットフォームへ向けて移動を開始。この移動が実は大変な作業のため、各チームとも例年できるだけプラットフォームに近い機体組み立て場所を確保しようとします。
他のチームのフライトを遠目に見つつ移動しているうちにどんどん天候は悪化し、ついに雨が降り始めました。あわてて機体にカバーをかけます。雨脚は強く、雷までも鳴る始末。天候の回復を待って1時間の中断を挟み、大会は続行されました。
実はこの雨が降っている間、ずっとプラットフォーム上でフライトを待たされていたのはかの有名な日大航空研究会でした。(日大のフライト順位は9番目でした。)しかし宮脇さんを乗せた「作蔵4」はそんな悪条件などものともせず、大会新記録をマークしました。
日大のその素晴しいフライトにぜひとも続きたいと、僕は思いました。機体はようやく湖岸からプラットフォームへと入りました。
この道幅は非常に狭く、また登りの部分の傾斜もきついため、慎重に、ゆっくりと機体を運びます。フライトし終えたチームの方々と「お疲れさまでした。」「がんばってください。」と声を掛け合います。
ついにその瞬間が目前に迫りました。ラダーの取り付け部で問題が起きたものの、なんとか発進準備を整えました。この時、チェックをより厳密にして、何事にも動揺せず落ち着いて対処することができていれば、あのような事態にはならなかったのかも知れません…。