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嘆く白内障患者たち

人生が変わる白内障手術 第3版』と同時期に読んだのが、『嘆く白内障患者たち』。題名だけからすると、ちょっと恐いというかネガティブな印象を受けますが、内容は決してそんなことはなく、同じ眼科医自ら執筆したものであっても個人的には本書のほうに好印象を抱きました。

というのも、さまざまにある選択肢に対し、極めてフラットな目線で紹介しているように受け取れたからです。特定のレンズなり術式を殊更に推奨するでもなく、ゆえに宣伝ぽさやポジショントークぽさが無くて、何事にも長所・短所があるという中立的なスタンスを感じました。

白内障手術や眼内レンズの選び方にはこうしなければいけないというガイドラインや技術的な基準がある訳ではなく、医師個人の考え方や技量の差が出やすいのが白内障の治療なのです。

この前提を共有くださった点が、まず重要かなと。書籍であれWebであれ、上記の前提を踏まえて接しなければ、簡単に特定の医師の考え方を盲信してしまいかねない。眼科に限らず、セカンドオピニオンは重要でしょうけど。

ここ数年の間に、単焦点眼内レンズに分類されるものの多焦点に近い機能を持つ眼内レンズがいくつか登場しています。公的保険が適用されるので、患者にとっては費用面でも魅力的といえます。

本書では「高機能単焦点眼内レンズ」と呼んでいましたが、まったく初耳でした......なんとなく単焦点か多焦点かの二者択一っていうイメージを強く持っていましたから。まぁどのレンズを選ぼうと向き不向きはありますし、入れてみないことには見え方なんざ分からないので以下略。

「白内障手術は一生に一度(しか受けられない)」という言葉が一人歩きし、白内障術後の不具合に対する対応=リカバリー手術の必要性があまり認識されていないのが実情ではないかと感じています。

いや実際そうだろうと思います。私がレンズ交換の手術をした患者のなかには2回入れ換えをした人やいちばん多い人で3回入れ換えをした人もいますともあって、びっくりしました。もちろん、リカバリー手術はしないに越したことありませんけど、それが可能である事実を知っておいて損はないなと。

白内障の手術について眼科医が書いた本は世の中にたくさんありますが、その多くは白内障手術のよい面にスポットを当てたものではないでしょうか。

はい、そういう印象です。だからこそ本書のようなタイトルの本にも存在意義があるでしょうし、気をつけて情報収集しないとなぁって思いました。

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