第11回ロケット交流会 パネルディスカッション 国産有人ロケットはいつ実現するか? ~国内外の最新動向から議論する!~
第11回ロケット交流会の1日目に企画された、パネルディスカッションに現地参加しました。会場は日本科学未来館7階にあるイノベーションホール。司会を務める大貫美鈴さんや、有人ロケット研究会の副理事長でいらっしゃる箱田さんと、久しぶりにご挨拶できました。
パネルディスカッションを標榜する企画の多くが、割と予定調和的であったり、各人の意見がまともに交差することなく言いたいことを個々に言って終わる印象ですが(偏見)、後半の時間はしっかりとしたディスカッションぽさがあって、楽しめました。
議題は「国産有人ロケットはいつ実現するか? ~国内外の最新動向から議論する!~」。「いつ」という問いに対して、具体的な時期が明確な根拠とともに提示されることはないだろうと予想していましたが、15年後の2040年より前には、という点で概ね皆さん見解が一致していたような。ほか、得られた気づき:
- 後世の日本人から恨まれないために......という観点、長期思考に寄って聞こえて、なるほどと思いました。そういう観点でも、宇宙戦略基金がある今って大切な時期なのだなと。
- 宇宙開発の文脈で法制度は邪魔者扱いされがちだけど、自由すぎても困るという話もすごく納得。悪い意味での失敗をやらかした一社が、業界全体を縮小ないし後退させかねない。
- 他国の宇宙飛行士への飛行機会の提供が、外交手段として有効というのは、なるほど単なる外貨獲得以上のメリットが期待できるなと。そこにも今後、厳しい競争が待っているにせよ。
- 輸出入の面倒を避けるうえでも、物資は日本から打ち上げ日本に降ろすのが理想というのは、JAMSSの方の指摘でしたけど、そのあたりの綱引きもきっと宇宙港同士のあいだで厳しさを増すのでしょうね。
- 「界隈」だけでなく日本全体にやる気を広げていく啓蒙・啓発が必要というのはまったく同意。一般人の目線で正当性や意義を広報・PRする重要性、必要性は高まるいっぽうでしょうね。お金の動きや技術の進化(深化)と同期しつつ!!
[ 2025-11-09 追記 ] @mitologia_hotさんのつぶやきで、当日の録画がYouTubeで見れることを知ったので、貼っておきます。

@kazuhitoは、木達一仁の個人サイトです。主に宇宙開発や人力飛行機、Webデザイン全般に興味があります。Apple製品と麺類とコーヒーが好きです。南極には何度でも行きたい。アクセシビリティおじさんとしてのスローガンは「Webアクセシビリティ・ファースト」。