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NHK「100分de名著」ブックス マルクス・アウレリウス 自省録 他者との共生はいかに可能か

NHK「100分de名著」ブックス マルクス・アウレリウス 自省録 他者との共生はいかに可能か」』を読了。岸見一郎氏の著書を読むのは、10年以上前に読んだ『嫌われる勇気』以来だったかしら?

『自省録』は、対立を否定し、協力して生きることを繰り返し訴えています。これはまさに排他主義が広がる現代への警鐘、今こそ読まれるべき一冊だと思います。

本書の出版は2023年2月、ロシアがウクライナに侵攻したより後のこと。第2次トランプ政権が誕生した今となってはまますます、この排他主義が広がる現代への警鐘というフレーズに重みを感じます。

本書で紹介する『自省録』の言葉は著者訳です。

よくわかっていないかったけれど、アウレリウスの『自省録』の日本語訳って複数存在したのね。末尾の「読書案内」で列挙されているものだけで5種類?もありますが、あえてご自身で訳すところに岸見氏のこだわりを感じます。

この本が後世に残り長く読み継がれているのは、本書を読んだ人が、後世に伝えるべき価値と普遍性があることを見て取ったからです。

あまり深く意識してなかったポイント。確かに、コピー機も活版印刷も存在しなかった時代から脈々と読み継がれてきたのは、すごいことだし実に興味深い。『自省録』含め、およそ古典と呼ばれる類の価値を改めて認識せざるを得ません。

怒ってはいけないとわかっているけれど、ついカッとしてしまったとか、人に優しくできなかったというのは、言い訳でしかありません。本当はわかっていなかっただけなのです。

反省、もうひたすら反省するしかない苦笑。ストア派哲学は徹頭徹尾、怒ることを戒めますから、がんばろう。

お前を悲しみに誘うものにあっても常に次の原理を用いることを覚えておけ。それは不幸ではない。むしろ、それを気高く耐えることが幸福である。

上記は、岸見氏ではなくアウレリウスの言葉。悲しみと幸福って表裏一体なんだなあ。

最後は死ぬのだからと「今を生きる」、さらにいえば今を楽しもうと決心するのは、死を忘れるためでしかありません。

今を生きることは、決して死を忘れることと同義ではない。死を強く意識してこそ今を生き切れる......田坂広志先生の講演を思い出しつつ、学ばせていただきました。

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