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エゴを抑える技術

『苦境(ピンチ)を好機(チャンス)にかえる法則』に続けて、同じくライアン・ホリデイ氏の著書『エゴを抑える技術』を読みました。2冊を比べるなら、私はこちらが好みかな。マーカーを引いた箇所も(厳密に数えたわけではないけど)こちらが多い。

意識して口をつぐみ、他人の称賛を求めなくてもやっていける強さをもつこと。自分に自信がある強い人間にとっては、沈黙こそが息抜きになるのだ。

ついつい「自分語り」、つまり自分の特別さについて語りたくなってしまうのは、私の本当に悪い癖。強い意志をもって無くさないといけない。

「なすべきこと」から「なるべきこと」へ、「努力」から「格好だけ」へと、たちまち道を外れだす。エゴのせいでこんなふうに自分を欺くようになるのだ。

文字面を比べれば「なす」と「なる」、実に近しく映るけれど、雲泥の差があるのね。そして自分の場合カタチばかり、体裁ばかりで中身の伴わないことがいかに多いか......実に耳の痛い話。

やみくもに努力する、そのくせすべき努力は怠る、準備が整う前に行動に移る、慎重さを要する事柄を台無しにする......。情熱に酔うことほど有害なものはないのだ。

これまた耳が痛む。情熱って割とポジティブな存在と捉えてきたし、大事にしたいとも思ってきたから。本書で情熱とは、弱さの隠れみのとあったのは、目から鱗です。

「己を知ることで、まず生まれてくるのは謙虚さだ」と、アメリカの作家フラナリー・オコナーは言った。己を本当に知ることによって、エゴに打ち勝つことができる。

身の程を知れ、ということですね。井の中の蛙に謙虚さが生まれる余地はない、とも思えます。

「これからしようと思っていることをいくら語っても、名声を築くことはできない」と、自動車王ヘンリー・フォードは言った。

先述の「なす」と「なる」の違いと根っこが同じ話ですけど、口先ばっかりというのも自分は多いんですよねー、致命的に実行力が無い。それを改めて認識させてもらえた点で、感謝しなくては。

幸せに生きたければ、社会から隠れてひっそりと生きなさい、というのは昔からいわれることだ。それは真実だ。

......いやー、つい某氏の姿を思い浮かべてしまう。マスコミなんかに取り上げられなくたって、有名でなくたって、幸せに暮らす成功者なんて世の中たくさんいるはずなんだよなあ、私が知らないだけで。

成功とは心の平穏のことだ。理想の自分に近づこうとできるだけの努力はした、と心から納得できたときに、その境地に達することができる

これはアメリカの元バスケットボール選手、ジョン・ウッデン氏の言葉。いい言葉です、成功は自身の「外」にはない。

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