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AI技術と距離を置くWebブラウザ、Vivaldi

各所既報ですがVivaldiのCEO、テッちゃんことJon von Tetzchner氏が8月28日付けで記した文書、Vivaldi takes a stand: keep browsing human(日本語訳:Vivaldi、立場を表明:人間のブラウジングのために)について覚え書きしておきたい。

Vivaldi は AI に対する自らの立場を表明します。Vivaldi は誇大に宣伝されたものではなく人間を選択し、探求する喜びを無関心な傍観に転換させることはありません。自らが探索することがなくなれば、ウェブは興味あるものではなくなってしまいます。私たちの好奇心は酸欠状態になり、ウェブの多様性も死んでしまうのです

これは本当に重要な指摘だと思うのです。業界はもとより社会全体がAI技術を歓迎、どころか迎合しつつあるようにも感じられ、AI技術に慎重論を唱えることが微妙に憚られるようにすら思える昨今、上記のようなスタンスを明らかにする行為に対し、Vivaldiのアンバサダーである立場を差し引いてもなお、尊さを感じずにはいられません。

もし、AI が知的財産を盗んだり、プライバシーや開かれたウェブを侵害したりすることなく、同じゴールに向けて貢献するのであれば、Vivaldi は AI を利用するでしょう。反対に、人々を受動的な消費者に変えてしまうのであれば、利用しません。

"ブラウザを自律操作するAI"が暴走 「要約して」と入力しただけなのにパスワードが盗まれた その手口とは?:Innovative Tech - ITmedia NEWSみたいな話が現実化するなか、AI技術との距離感もまた、Webブラウザ選択における指標として、もっとフォーカスされて然るべきだし、皆フォーカスして欲しいと私は思います。

さもなくば、AI技術ベンダーがメタクソ化したときに(いや既にメタクソ化している可能性は十分あると思っています)、ありとあらゆるWeb体験がそのメタクソ化の巻き添えを喰らいかねず、そのリスクは計り知れないとも思うのです。余談ですが、AI技術ベンダーのメタクソ化については、yomoyomo氏の以下の記事を読んで以来、あれこれ考えて(悩んで?)います......。

[ 2025-09-26 追記 ] そういえば、その後、関連して勤務先のサイトでコラム「問われるAI技術とWebブラウザの距離感」を書きました。

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