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ゆるストイック——ノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考

ゆるストイック——ノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考』の著者、佐藤航陽氏ってお名前を見たときはピンと来なかったのですけど、プライベート宇宙ステーションの販売を開始なんていう華々しいプレスリリースで話題になった、スペースデータのトップではないですか。しかも、氏の古い著書の『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』は、だいぶ前に読んでいたという(検索したけど同書の覚え書きはしていない)。閑話休題。

成功の対義語は「失敗」ではなく「無挑戦」

初耳ですが......愛の反対は憎しみではなく無関心、みたいなノリ(ノリ?)ですね。いい表現だなと思いつつ、仮にそうだったとして失敗の対義語は何?と思わなくもない。

限定合理性とは、人間がすべての情報を知り尽くして合理的に決断できるわけではなく、限られた情報と認識の中で最もマシな判断をしているにすぎないというもの

限定合理性、という言葉も初耳でした。しかしその意味するところはいたって平凡、ごく当たり前のこと。限定合理性が当てはまらない人間が存在するとしたら、それはもう人間ではなく、全知全能の神でしょう。

いいキャリアを築くには、「35歳までは全力疾走する」というのが、生物的にも社会的にも合理的

自分を振り返ると、35歳を過ぎてもしばらくは全力疾走していたと記憶しています。とくに今の勤務先で社長の肩書きをいただき、そしてそれを自ら返上した2015〜2018年は。それで得たものは大きかったけれど、失ったものもとても大きくて......合理的な働き方、生き方ができたとは到底思えない、というのが率直な感想。

人類は、「唯一絶対の正しさ」を求める時代から「複数の多様な正しさ」を前提とする新しいフェーズに差し掛かっています。

そもそも正しさは相対的であるからして、「唯一絶対の正しさ」なんか幻想と思っているけど、いっぽうで「複数の多様な正しさ」を是とするには圧倒的に寛容さが個人にも、社会にも不足しているような気が。「正論」や「エビデンス」を振りかざすだけでは通用しない世界に入っているともあって、辛いなー。

「ゆるストイック」なスタイルは、他人との考え方や思想の違いに過度に反応せず、他人を「論破」しようとせずに、自分の人生の時間を自分のために使う

しかし自分の人生の時間を自分のために使うにはあまりに他人との考え方や思想の違いが干渉しすぎる場合ってどうすればいいんでしょうね。「ゆるさ」で乗り切れるとは到底、思えないのだけれど。いちいち反応しないための修行が足りてないだけ、ですかね。

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