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センスは知識からはじまる

『水野学のブランディングデザイン講義』を読んだのがきっかけで、同じ著者の『センスは知識からはじまる』を読了。予想通り、概ね共感できる内容の本でした。しかし

僕の仮説が正しければ、情報革命によって技術がピークを迎えたあとのこれからの時代は、センスの時代です。

という辺りはしっくりこなくって、というのも技術とセンスを二項対立的に表現されていたから。たぶん著者と私とで、これら2つの言葉の意味するところに齟齬があるということなのでしょう。

技術とセンス、機能と装飾、未来と過去。こんなふうに対になっている時代の間を、みんなが行ったり来たりしている気がします。

上記のくだりも、機能と装飾、未来と過去についてはわかるんですが、それらと同格に技術とセンスの2つを持ち出されているのは謎。弁証法的に、その行ったり来たりというのはすごくわかるんですけどね(事物の螺旋的発展、対立物の相互浸透)。

企業の美意識やセンスが、企業価値になる。これが今の時代の特徴です。

今の時代とありますが、本書が発売されたのは2014年、つまり10年以上前のこと。なので、多少は変化してはいるかもしれないけれど、ここは賛同できます(というか賛同「したい」)。企業の広報・PRを担うポジションは、特に倫理的な面で美意識やセンスを磨かないといけないと思っているので。

本書で定義づけているセンスのよさとは、「数値化できない事象のよし悪しを判断し最適化する能力」。王道のものは必ず、その最適化のプロセスを経た上でいまに存在しています。

『水野学のブランディングデザイン講義』のほうでは、センスを集積した知識をもとに最適化する能力と定義していて、知識と並び最適化がキーワード。その点で主張は一貫されてますし、自分としても意識したいポイント。

センスを磨くには知識が必要ですが、知識を吸収し自分のものとしていくには、感受性と好奇心が必要なのです。

好奇心は割と大事にしてるつもりでいたけど、なるほど感受性......そこは自分の弱点かな。歳を重ねてどんどん感動しにくくなっているというか。

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