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新しい「企業価値」を創出する PR4.0への提言

2025年の抱負のなかで、広報・PRについてせめて2ヶ月に1冊くらいのペースで、この分野の新しめの書籍を読んで......などと書いていたけど、1月に読んだのが『新しい「企業価値」を創出する PR4.0への提言』。

属性とは異なる価値観でくくられた「トライブ」に即したアプローチの必要性が高まっており、共通の興味・趣味嗜好、価値観を持つ、異なる属性でくくられるターゲットに対してエンゲージするには、それぞれに適したコミュニケーション戦略が重要

「トライブ」って言葉、ほとんど耳馴染みがなく、大学院に通っていたときも授業で聞いたことはなかったように思います。tribeは辞書的には種族、部族という意味ね。しかし属性という括り方と具体的に何がどう違うのかというと、正直よくわからなかったような。ただでさえ多様化するいっぽうの社会において、分解能を上げて接していく必要というのは当然あると思いますが。

優れた企業文化は戦略を凌駕する、どんなに優れた経営戦略でも、すでにその会社に根付いてしまった企業文化には勝てない

これは、かの有名なドラッカー氏の言葉、Culture eats strategy for breakfastの日本語訳らしいです。逆にいえば、企業文化と呼ばれるものがいかに重要かって話になるわけですが、21年も同じ組織にいると、一定数の人が入れ替わっていくなかでなお確固たる文化を築き継承し続けることがいかに大変か痛感します。力を抜けば途端に崩れ去りそうな脆さを感じるというか。

組織がどんなに素晴らしいパーパスや企業理念を掲げても、一番身近なステークホルダーである社員が納得、腹落ちしていなければ意味がありません。

いやこれは本当に。だからこそトップダウンよりボトムアップで、全員を巻き込んだうえで掲げる必要があるのだけれど、実はそれがまた難しい、組織が大きければ大きいほど合意形成の難易度は上がるし、時間も必要。少し前に専門学校生向けのイベントのなかで、納得と理解は違うという話をしたことがあるのだけれど、現実的には納得より全社員による理解を目指すべきではなかろうか、とか。

インターナルとエクスターナルで一貫したメッセージを発信することは、大切なポイントです。今日離職した社員が明日の顧客になる可能性もあるからです。

私は最近、コミュニケーションがエクスターナルであればあるほど、逆説的にそのインターナルな側面、つまり組織の中にどう伝わるか、どういうメッセージを盛り込むと組織内に有効かを意識するようにしていますね。上記にある今日離職した社員が明日の顧客になる可能性なんてのは意識してなくて......あくまで「今」組織に属する人々がどう見聞きすることになるかをイメージしています。

海外では、収益拡大を優先する投資家からESG経営を疑問視する見方も依然として存在し、「反ESG」の動きも強まってきています。

トランプ氏がアメリカの大統領に返り咲いて久しいですが、それもまたある意味、「反ESG」の動きの一環と映らなくも無い印象を受けています。ただ私の個人的な予想というか願望としては、いずれ「反ESG」の勢いは衰え、反動としてESGへの揺り戻しが始まるだろうと楽観しています。結局のところ、事物は螺旋的に発展していくわけですから!

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