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Heydon Pickering氏が取りまとめたWebアクセシビリティの原則

書籍『コーディングWebアクセシビリティ』の原著者などで知られるHeydon Pickering氏が取りまとめたWebアクセシビリティの原則、Principles Of Web Accessibilityが社内で話題になっていました。ライセンスがGPL Ver.3ですし、きっと全文の日本語訳はそのうちどなたかが作成されると思うので......あえて和訳ではなく、個人的な賛同ポイントを覚え書き。

Perfection is the enemy

直訳するなら「完璧は敵」。のっけからPickering氏らしい、捻りの効いた解説が続くのだけど、本当に完璧なんかあり得ないし、目指すべきでもない。目指すべきは継続性であり、取り組みの成熟度であって、そうでなければ画像の代替テキストから始めましょうとかWCAG2/JIS X 8341-3にある達成基準の「つまみ食い」のススメなんて文章、書きません。

By default or death

アクセシビリティオーバーレイについてCategorically, accessibility overlay software does not and cannot work.と言い切っているのは実に清々しいですね。勤務先で4年前に書いたコラムに、オーバーレイの導入は根治ではなく対症療法という比喩を書いたけど、やはりWebコンテンツそのものの本質的な改善にこそ取り組むべきだし、私はその支援に今後も取り組んでいきたいです。

Fishing, not fish

老子の格言に由来する、「魚を与えるのではなく釣り方を教えよ」ってやつですかね。受諾の立場だと、発注元に対しアクセシブルなコンテンツの納品ばかりに終始してしまいがちだけど、本質的には発注元の組織が自立的にコンテンツをアクセシブルにできるようになるべきですし、そうなるための支援をこそ提供したいものです(もちろん、そのプロセスやゴールにおいても、完璧を目指すことなく)。

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