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Re: とあるサイトに書かれていた"障がい者"ではなく"障害者"という表記を使う理由が話題に→「寄り添った表記のはずが...」「これが当事者の現実に即した本当の配慮」

少し前にはてブられていた、Togetterのとあるサイトに書かれていた"障がい者"ではなく"障害者"という表記を使う理由が話題に→「寄り添った表記のはずが...」「これが当事者の現実に即した本当の配慮」というまとめを読みました。「障害者」「障がい者」「障碍者」の3種類あるうち、どの表記が良い? みたいな話で、勤務先でもちょっと話題になったまとめ記事です。

Webのアクセシビリティに四半世紀近く携わってきた身としては、もはや何周したかわからない古典的なお題ですけど、もっぱら私は「障害者」と表記することにしています。だからといって、「障がい者」「障碍者」それぞれの表記を否定したいわけではない、です。どう表記しようが自由だし(少なくとも特定の表記が禁止されている認識はない)、障害当時者とどう向き合い行動するか、のほうが表記より遥かに重要だと思いますので。

「障害者」表記を支持する理由の1つは、障害の「社会モデル」を踏まえて表記したいから。障害には、個人の心身特性(この捉え方を「医学モデル」と呼びます)ばかりでなく、社会によって作り出されている側面がある、という事実は常に自覚しておきたい。Webにしたって、要素技術それぞれはアクセシビリティに配慮しているわけで、本来アクセシブルに作れるはずのコンテンツをそうではなくしてしまうのは、常にWeb制作者の側であり云々。

いま1つの理由とは、スクリーンリーダーの読み上げ方をあまり気にしていないから。あらゆる種類・バージョンのスクリーンリーダーで誤読ゼロを担保するのは原理的に不可能であり、特定のスクリーンリーダーでの読み上げ方に寄せて表記を変えるのは、歪な実装だと思うのです。これは、古くからRe: 第18回 XHTMLの設計〜状況に合った要素選び(3)〜とかスクリーンリーダーの読み上げ方を気にし過ぎることなかれで書いてきたことでもあります。確かに辞典や試験問題のような、誤読を認めにくいコンテンツも世の中には存在するけれど、多くはそうではないですし。

なんか似たようなことを過去に何度か覚え書きしてきた気がする、と思って検索してみたら、出てくるわ出てくるわ笑。4年前の記事、Re: アクセシビリティー対応とかいう害しかないクソも、かなり近い内容を書いてましたね。まぁオチとしては、そもそも「障害者」「健常者」という言葉、区別が私は嫌いだし、受け入れ難いです。

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