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Firefox 129.0におけるリーダービューの進化に寄せて

すでに勤務先のBlog記事で言及しましたが、Firefoxのリーダービューがバージョン129.0で進化した件。複数のメディアでも、紹介されています:

こうしたWebコンテンツのカスタマイズ/パーソナライズ機能の進化を、私は大歓迎します。そのいっぽうで、もっと自由なカスタマイズ/パーソナライズを実現して欲しいですし、そもそもリーダービューに限定せず、通常のブラウジングにおいても同機能を提供して欲しいと思います。

WebをWebたらしめていると私が思う特長の1つに、コンテンツをどう表示させるか、そこのところの制御というか権限が圧倒的にユーザー側に委ねられている点があります。そして、その特長を下支えし得る極めて重要な技術が、ユーザースタイルシートと理解しています。

ゆえに、あえて極論を言うなら、ユーザースタイルシートの自由な編集や適用を提供しないのは、Webブラウザの怠慢とすら思います。メジャーどころのWebブラウザが、いまだそういう体たらくなものだから、アクセシビリティオーバーレイなんていうソリューション、もとい商売がまかり通ってしまう。

無論、Web技術に詳しくない一般ユーザーが、ユーザースタイルシートを作成するなんてことは不可能でしょう。だからこそ、すべてのプロパティや値は無理にせよ、知識がゼロでもユーザースタイルシートを編集できるよう、Webコンテンツのカスタマイズ/パーソナライズをWebブラウザは積極的にGUIで提供・支援すべきでしょう。

Webは紙とは違う、Webは印刷物ではない、そんなフレーズを耳にタコができるほど聞いてきた世代の一人ですけど、残念ながらいまだ勘違いをしている向きは少なくないと思います。その理由もまた、ユーザースタイルシートにまつわる機能をWebブラウザが一般向けに解放、提供していないがゆえ、と考えます。

似たようなことは昔から繰り返し書いてきたように思いますが、大事だと思うことは何度で記しておきたいので、Firefox 129.0を出しにして申し訳ないと思いつつ、改めて書いてみました。

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