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登山と身体の科学

ブルーバックスを買って読んだのは、いつ以来だったろう......という感じですけど、Kindle版で『登山と身体の科学 運動生理学から見た合理的な登山術』を読了。山歩きを趣味にしてだいぶ経ちますが、ちゃんと理解してなかったくだりも多くあって勉強になりました。

大きな山での登山能力は、70代の前半までは年齢や性別、また過去の登山歴にも関係がなく、現時点でどれだけの登山ができているかで決まる

おおーなんか嬉しい。50歳を迎えた昨年の時点で穂高の縦走とか全然やれてるってことは、同じルートをあと20年くらい歩ける可能性があるってことね。もちろん注意力なんかは落ちていくだろうし、そもそも登山は常に油断ならないけれど、なんか希望が持てます。少なくとも60代のうちは、北アルプスを卒業せずに済みそう。

年齢は高くても、山によく登り、日常でも運動を励行している人は、心臓も若々しく保たれ、若者なみの最高心拍数を示す人もいます

毎週エアロバイクで有酸素運動は欠かさずこなしていますが、現時点での最大心拍数は知らない。だいたい130〜140bpmで回しているけど、仮に220-50=170が今の最大心拍数とすると、80%の運動強度を継続できることになっちゃって、辻褄が合わない。てことは自分の心臓、多少は若々しいってことにしておきたい笑。

登山では何千歩も何万歩も歩くので、一歩一歩で見ればわずかな歩行技術の差が、積み重なって大きな差にもなります

言われてみれば確かに......という感じの気づきをいただけました。まさに塵も積もれば山となる、ですね。だからこそ少しでも正しい、疲れにくい歩き方を習慣化しないといけない。普段、会社に行くときも多少は意識してるつもりですけど。最近はとにかく暑くて&汗をかきたくないから、スピードは落としてますが。

8時間の登山コースを歩いた場合のエネルギー消費量は、市民マラソンで42キロのコースを、6時間程度でゆっくり走ったときとほぼ同じ

私はおよそマラソンとかジョギングをやらないものだから、時間の長短を問わず連続で42キロも走る自信がまるでなくて。それより8時間の登山コースを歩くほうがよっぽどマシとすら思えるのですけど、面白い比較でした。

真夏の登山では、運動で生じるたくさんの体熱を外界に捨てようとして、皮膚表面に送られる血液量が増えます。つまり皮膚へ送る血液と、活動筋へ送る血液とが競合して、筋への供給分を減らさざるを得なくなる

なかなかその、皮膚表面に送られる血液量が増えてる実感がなく、むしろ夏場だと単純に太陽光の影響で熱っぽく感じたりもするものだから、余計にわからなくなってる感じ......まぁそういうメカニズムなんですね。となるとますます、水分不足が怖い感じに。

酸素・水・食物は生命維持に不可欠ですが、それぞれの補給が絶たれたときにどうなるかを表してた、3ー3ー3という標語があります。私たちは酸素がなければ3分、水がなければ3日間、食物がなければ3週間で死んでしまう

この標語、初耳だったような。なるほど、逆にいうと食べ物がなくたって水さえあれば3日間は生きれそうということか。幸い、そこまで深刻な遭難を自分はしたことありませんが、水の確保って超大事だなと改めて認識。水ではないけど、大学時代に1度だけ、自転車でハンガーノックをやったことがあって、アレはきつかったなぁ。

高山病は、かならずといってよいほど頭痛をともないます。これは、低酸素の影響で脳の水分量が増えて腫れが起こり、それが頭蓋骨という固い器の中で圧迫されて、痛みを感じるため

昨年ネパールで5,500メートルまで上がったときは、自分は高山病には罹らなかったけれど、頭痛のメカニズムについてはちゃんと理解していませんでした。脳の水分量がそこまで増えていなかったのか、そもそも頭蓋骨に余裕があった?のか、その両方か......ラッキーでした。

槍ヶ岳登山の体力度(エネルギー消費量)は、高尾山登山の約4.5倍となるのです。高尾山を4.5周回すると、槍ヶ岳でこなす運動量と同じになる

これも面白い比較。とてもじゃないけど退屈すぎて、高尾山を4.5周回もしたいとは思いませんが笑、ざっくりそんな感じなのね。さて、渋滞が嫌で実はまだ登ったことのない槍ヶ岳、いつ登りに行きましょうかね。

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