最高の体調
著
以前から気になっていた一冊ではあるのだけど、少し前に値段が下がったのを機に購入、一気に読了したのが『最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法』。食べ物とか睡眠とか、そういう系の話が多いのかなと思っていたけど、もっとずっと広範な内容を扱っていました。
狩猟採集民の食事に近づくべくジャンクフードやスナック菓子のような加工食品をやめ、パンや白米といった精製穀物の量もできるだけ削減。代わりに野菜と魚の量を増やし、間食はゆで卵で代用し、食物繊維が豊富なサツマイモを主食に
そこまで徹底できたら良いですけど、なかなか実践は難しいと感じるのが上記のような食生活。特にランチとかって相当難しいように思うんですよねー近場でなかなか「そういう」組み合わせを手頃な金額で買えるお店が思い浮かばないっていうかな。こないだ初めて利用したディキシーデリ 北新宿は悪くなさそうだったけど。
600万年の歴史のなかで、人類はカロリーが足りない環境に適応するために進化してきました。そのため、私たちの脳と体は「低カロリー」には上手く対応できますが、「高カロリー」を処理するようには設計されていません。
これも過去に読んだことのある風なくだり。これくらい食べないと動けない(働けない)とか、そういうのってやっぱり若い頃から刷り込まれた思い込みに過ぎないのかな。そもそも加齢とともに必要なカロリーは減らしていって然るべきだとは思うのだけど。なんかしかし、食事がえらく難しいお題に思えてきてしまう今日この頃。
アフリカ人の伝統的な観念によれば、時間は長い『過去』と『現在』とをもつ二次元的な現象であり、事実上『未来』をもたない
本書である意味、一番興味深かった内容。未来を案じてあれこれ不安に思うことなく「今、ここ」に集中することの大切さは、それこそ繰り返し見聞きしてきたつもりだけれど、そんな風に時間の捉え方を変えてしまうという発想はなかったなーと。狩猟採集民はすべてを現在と捉えることで時間を超越する
って、なんかカッコいいな。
遺伝と環境のミスマッチが起きた現代においては、「自然」と「友人」への投資こそが、もっとも費用対効果が高い行為
自然への投資は、まぁ山歩きが趣味の一つであるからして、そこそこ投資しているつもりだけど、友人はどうだろう。まぁでも仕事を減らしたことで、実家に出向く機会を増やし両親と向き合う時間は確実に増やしているし、割とこう人と会って話す時間自体を増やせている気はします。友人というか、良い人間関係への投資ね。
かつて学生から「人間は何のために生きているのか?」と質問されたアインシュタイン博士は、こともなげに答えました。「他人の役に立つためです。そんなことがわからないんですか?」
......御意。自分のためではなく、他人のために。もっともっと深く心に刻んでいかねば。