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東京工業大学 地球生命研究所 一般講演会 2024

東京工業大学 地球生命研究所 一般講演会 2024に参加しました。ライブ配信がないとのことだったので、わざわざ東京工業大学(記憶が正しければ2度目の訪問)まで足を運んだのだけど、実は後日ELSI Origins - YouTubeで録画が見れるようになるみたい( [ 2024-02-23 追記 ] 録画がYouTubeで公開されたので、本記事に埋め込みました)。

講演1、ショウン・マックグリン氏のお話は、総じて身の上話っぽく聞こえたのだけど、細菌や古細菌に惹かれた経緯・背景と、現在の研究テーマやそこで採用しているアプローチの紹介が半々だったような。興味深かった論点の1つは、一見するとまるで異なる生き物に映る象と鯨は、全部で1兆種と言われる生命の系統樹からすると、どちらも同じ真核生物であり近い存在だという話。鉄分が豊かな?地鉈温泉をタイムマシンと捉え、研究を進めているのも面白い。質疑応答のなかで生命の定義を問われたとき、名詞ではなく動詞、プロセスとして捉えたほうが良いのでは......と答えてらして、まさに動的平衡だなって思いました。

講演2の瀬戸繭美氏のお話のほうが実は面白かったのだけど、しかし理解は追いつかなかったなー。まず、古くから知っていたつもりの熱力学第二法則について、「構造はエネルギーなしには獲得できない」と表現されていたのが新鮮というか、衝撃で。じゃあ生命は一体どうやって構造を獲得するに至ったのかというと!?!?イオンの濃度勾配をつくり電子を移動させ......というのは理屈としてはわかるものの、その勾配は意図して作れるものなのかってあたりが謎すぎてギブアップ笑。

地下深くにいる生命のなかには、細胞分裂に数十年から数千年(!!)もの時間をかけ、ローカロリーで生き抜いているものもあるというのも驚きでした。また、多様な構造を獲得することがエネルギーの利用効率を上昇させるってお話は、組織論とか何か全然別の話に応用できないかしら、と思ったり。あと、質疑応答のなかでガイア仮説に言及されていた際に、個人的にセレンディピティを感じました。諸手を挙げて賛成しているわけではないものの、感銘を受けたそうで......やはり私も一度はガイア仮説、ちゃんと読んでみないとかな。

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