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企画力 人間と組織を動かす力

本日、覚え書きをする田坂広志先生の著書は『企画力 人間と組織を動かす力』。昨日覚え書きした、『営業力:「顧客の心」に処する技術と心得』とある意味、対をなしている本です。

人間と組織を動かす力。それが「企画力」です。

『営業力......』のほうでは、営業力を人間と組織を売り込む力と定義されていました。かなり近しいというか、意味的に重複しているように思えます。「動かす」ことの一端に「売り込む」があると解釈すれば、営業力は企画力に包摂されていることになりますが。

プロフェッショナルの世界において、「企画力」とは、「企画を立案する力」のことではなく、「企画を実現する力」のことだからです。

企画を実現するためには、営業を通じて業務を受注しなければならないわけで、やはり営業力は企画力に含まれているように読めます。2つの力を分けて考えることは、後述される「企画力」と「実行力」の分離に繋がる懸念もありますね。

経営戦略や事業戦略などについて、実に見事な「企画書」をつくる。しかし、それを実行するための戦術レベルや行動計画レベルのアドバイスを求められると、実務経験が乏しいために、クライアントに対して具体的なアドバイスができない。そうした「理論先行型コンサルタント」が決して少なくありません。

企画書を作りプレゼンするまでが企画ではない、ということですね。戦略と戦術を分けて考えることのリスクを指摘されているとも読めます。この両者は不可分であり、戦略あってこその戦術であるいっぽう、戦術を同時に発想できてこその戦略というふうに捉えているので。

「企画」という文字には、「企み」という字があるのです。つまり、「企画」とは「企み」のこと。この「企み」こそが、「企画」というものの命なのです。

言われてみれば、なるほどです。あまり文字面をじっくり眺めたことがなかったので......「企画」=「企み」という発想がありませんでした。その後に続くでは、「企み」とは何か。世に中を、より良きものに変える。というフレーズとセットで、記憶しておきます。

企画書を書く人間の「信念」、そして「情熱」。それが最も大切です。

セミナーなどのスライド作りにも通じる部分かなと。それとわかりやすく表現せずとも、滲み出て伝わってしまう部分ってあると思うんですよね。ゆえに、やはり日頃から全力で向き合わないといけないという。

その「企業」の経営戦略の視点に立った「表の企画書」と、その「部門」の社内戦略の視点に立った「裏の企画書」をつくる

面白いですね......自分は、組織内で起こり得る総論賛成・各論反対を未然に防ぐ、というように解釈しました。同時に、これはコミュニケーション論でいうところの、エクスターナルコミュニケーションとインターナルコミュニケーションの統合というふうにも読めます。高度で難易度の高いコミュニケーションですが、そこまで実現できてこその企画力、なのですね。

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