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ガイアの思想

本日、覚え書きをする田坂広志先生の著書は『ガイアの思想』。

熱力学第二法則が支配する世界においても、開放性、非平衡性、自己触媒性、という三つの性質を持つシステムは、自己組織性を獲得し、自ずと高度な秩序や複雑な構造を生み出す

散逸構造を短く説明したくだりなのですが、自分がその分野に関して疎いもので、このくだりで早くも消化不良を起こしました笑。いや非常に興味深い分野なので、いずれちゃんと学びたいとは思うのですけど。物理や数学の学び直しをしなくてもわかった気になれる、読み物系の本でも買ってみますか。

生命とは、奇跡のごとき稀有の条件の中から、必然的に生まれてくる存在なのであり、その「絶対矛盾」とでも呼ぶべき存在こそが、生命の本質なのである。

福岡伸一氏は動的平衡という言葉で生命を定義していたと思いますが、絶対矛盾という定義?は、それはそれで面白いですね。捉え方次第では動的平衡と絶対矛盾、同じ事象を言い表した別の言葉に聞こえなくもない。

ラブロックのガイア思想の最も深い革新性は、その「地球観」の転換にではなく、「生命観」の転換にこそある。

ガイア理論、やはり死ぬまでに一度はしっかり読まないといけない気がしてきました。おそらく、故・松井孝典氏の人間圏に関する理論と、このガイア理論とを自分のなかにしっかり取り込んで、両者のあいだを取るっていうか、それこそアウフヘーベン=止揚を目指すと、自分なりの「次」が見えてきそうな気がしていて。

地球という惑星は、その胎内に認知フィードバック能力を持った人類を生み出すことによって、自己の未来の姿を予測し、さらには、それを修正することができるようになったのである。

地球システムを「巨大な生命体」と見なすのがガイア理論であるなら、地球全体が動的平衡を保とうとしていることになるわけで、能動的に平衡を保つ機構として人類が生まれた......などと解釈するなら、やはり先述のとおり動的平衡という考え方とガイア理論、馬が合いそうではある。現世人類の愚かさを思えば、果たしてそれが有効な機構なのかどうかは疑わしいですが笑。

現代とは、「科学」というものが最大の「イデオロギー」に転落しつつある時代ではないだろうか。「世界を理解したい」との自我(エゴ)の衝動が、「理解できる世界」のみを世界と認める反動へと転落しつつある時代と呼ぶべきかもしれない。

いずれは世界のすべてを科学的に理解できるだろう、自分も子供の頃は漠然とそう信じてたけど、それは極めて高慢な奢りであって、そんな謙虚さの欠片もない想像は唾棄すべきって思うようになったの、いつからだったかな。もうとっくに忘れたけれど、きっかけはやはり『アインシュタインロマン』だったかもしれない。

科学主義を標榜する人々の多くは。その精神の深くに「世界を知り尽くしたい」との衝動を抱き、「世界を知り尽くすことができる」との幻想を持っている。そのため、安易に「科学的解釈」に依存し、しばしば「永遠の問い」と問い続けることをやめてしまう。

まさしく幻想、ですよね。集団幻想ですわ。無知の知、の境地を忘れてはいけない。

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