アクセシビリティオーバーレイが提供する機能はOSやWebブラウザで代替可能
著
Overlay Fact Sheetの発起人であるKarl Groves氏が取りまとめたThe overlay personalization farceは、アクセシビリティオーバーレイ界隈をウォッチし続けている自分にとって、興味深くたいへん貴重なレポートでした。これは、オーバーレイベンダー(訴訟避けのため具体名は明かされていません)の提供するパーソナライゼーション機能につき、網羅的かつ詳細に調査したものです。個人的なハイライトはここ:
Of all the personalization features presented by overlay widgets, only 3 of them cannot be performed natively by your website visitors' operating system:
- Text readability improvements (Font family, line height, letter spacing, text alignment)
- Focus indication
- Attention Focus/ Eliminate Distractions
However, these personalization features can be had via a third-party browser plugin.
要するに、アクセシビリティオーバーレイの提供する機能はOSやWebブラウザがネイティブで提供するものでほぼ事足りてるし、足りないところはブラウザの拡張やプラグインで補えるということ。その手のパーソナライゼーションを必要とするユーザーは、特定のWebサイトでのみ必要としているわけではないし、そもそもWebブラウザに限らずあらゆるアプリケーション、OS自体でも必要としているってのは、前段の
Although some capabilities of these widgets can provide benefit to users who need them, there also remains the fact that users who need those features on one site will need them on all sites and, in fact, all applications on their computer.
に記されているとおりであり、ますますもってWebサイトを運用する側が自身のサイト上でアクセシビリティオーバーレイを導入する意義は低いと言えるでしょう。と同時に以前から主張しているとおり、いわゆる「リーダーモード」にとどまることなく、Webブラウザはもっとパーソナライゼーションを支援する方向でUIを進化させてほしいなぁと思います。
さらには将来、パーソナライゼーションの傾向をWebブラウザが「学習」することで、初見のWebサイトであってもサイト固有のデザインを損ねることなくユーザーに見やすく使いやすい表示を実現できるのではと思っていて、それこそは究極の「リーダーモード」ではないか? と思ったりもします。