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弱視者の困り事 資料集第6号における「ウェブサイトやアプリ等に関する困り事」

日本視覚障害者団体連合が、弱視者の困り事 資料集第6号を公開していました。この資料集は、同連合の弱視部会委員から寄せられた情報を取りまとめていて、2つあるテーマのうち1つ目が「ウェブサイトやアプリ等に関する困り事」なので、大変興味深く拝見しました。特に気になった内容をいくつか覚え書きしておきます。

私はUD教科書体が見にくく、MSゴシックやUDゴシックが見やすい。UD教科書体が見やすいという評判は私の周りでも耳にするだけに、見え方の不思議さを実感している。

同じユニバーサルデザインフォントでも見え方は人それぞれであり、必ずしも見やすかったり読みやすいとは限らないことの証左として、貴重な声ではないかと思います。

パソコン環境だと自分で簡単にフォントを変えられるが、スマートフォンでウェブサイトやアプリを見ようとすると、自分の見やすいフォントに変更することができないものが多い。スマートフォンでもフォント等を簡単に変えられる機能があると良いと思う。

コンテンツの表示のカスタマイズ性については、拡張やアドオンの利用可能性も含め、同じ種類のブラウザであってもモバイル版よりデスクトップ版のほうがまだ優れているということなのかな。VivaldiのiOS版が開発中ですが、ぜひフォントのカスタマイズは実現していただきたいものです。

自治体や企業とアクセシビリティの仕事をしている中で、これらの担当者に「ウェブサイト側で文字や背景を変更・調整する機能をなぜ導入したか」と聞くと、「周りの自治体や企業が導入しているから」「アクセシビリティやユニバーサルデザインに取り組んでいるというアピールになるから」「ウェブ制作会社やその他企業の営業に勧められたから」との回答を聞くことが多い。恐らく、利用者となる視覚障害者の声を聞いて導入しているわけではないようだ。

何年も前から繰り返し、文字サイズや色合いを変更する機能をWebサイトに設ける必要はないと主張してきたわけですけども、まだまだ上記のような残念な理由で導入しているケースが後を断たないようですね。アクセシビリティオーバーレイしかり、アクセシビリティの本質と向き合っていないという残念なアピールとしてしかもはや機能していないと私は思うのですが。で、そういう自治体や企業は

ウェブサイト側で文字や背景を変更・調整する機能を実装した際に、視覚障害者にとって見やすいものかどうかをテストすることはあまりない。つまり、視覚障害者にとって本当に使いやすいかどうかが分からないまま、色々な自治体や企業がホームページに採用している。これらの機能を採用した自治体や企業、そして、こういった機能を開発・提供する企業は、視覚障害者の声をもっと聞くべきだと思う。

という声に真摯に耳を傾けるべきでしょう。そして

見えなくなって困っている人向けに「ウェブサイトやアプリ等を読みやすくするための方法を教えるサイト」があると良いと思う。そのサイトで、文字を拡大したり、色を変更する方法が分かれば、その人のデジタル環境は大幅に向上するだろう。また、公共のホームページ等では、そのサイトへ誘導する旨を記載すれば、助かる人が増えるのではないか。

というのは本当におっしゃる通りというか、自分としてもそういう「ウェブサイトやアプリ等を読みやすくするための方法を教える」情報をもっと増やさなくてはと思いますし、そもそもOSやブラウザのベンダーが積極的にその種の情報発信するなり、UIにおいて「そういう」機能を現状よりも目立たせる(少なくともそういう状態を選択できるようにする)必要があろうかと思います。

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