学会ポスターのデザイン術
著
生まれて初めてポスター発表に申し込んだものの、そもそもポスター発表の作法というか、どんなポスターが優れたポスターとして評価されるのか、わからない......で、なかなか手を動かせないまま焦りが頂点に達し藁にもすがる思いで読んだのが『学生・研究者のための伝わる!学会ポスターのデザイン術』。あいにくKindle版は固定レイアウトのみでしたが、この際、悠長なことは言ってられません。
でまぁなんとなく「ポスターとはこうあるべし」みたいなものを掴んで、あとは研究成果報告書の提出時に作っていたサマリーから文章を持ってきて、なんとなくレイアウトしたらそれっぽいものが出来上がりました!!ありがとうございます。どことなくWebデザインに通じるところもあったし、作り終えてしまえば意外に楽しかったかも? まぁポスター発表なんてそう滅多にないことで、これが最初で最後って可能性も高いですが。
プレゼンとはあなた自身,100人いれば100種類のプレゼンがあるのです.だから「こういうときはこうしなさい」といったマニュアル的なノウハウには意味がないのです.
いやはやアツい。こんなアツい想いをもった著者の本を買ってしまったとは笑。まぁマニュアル的なものの必要性が皆無かといえば全然そんなことはないし、実際、本書がそういう役割を担っている側面を私は認めますがね。ただ最終的にはどうしたって、個々人のキャラなんかが色濃く反映されてしまうという意味では同意。
プレゼンのスキル向上はあくまでアプローチ方法のひとつであり,そのスキルを向上させる過程を通してプレゼン(「コミュニケーション」と置き換えてもいい)の総合的な力,たとえば伝達力や共感力,ひいては人間力を向上させることが,本書の最終目標なのです.
人間力、つい最近もとある会議のなかで耳にした言葉ですが、実に大きく出たものです。それが決して悪いことだとは思いませんし、最終目標がどれだけ達せられたかはともかく、それを目指してこういう本を書かれたのは素晴らしいこと。読み手としては、1枚のポスター制作とて地味に人間力が問われてしまうのだなーと、しみじみ思いました。
研究内容を構造化という手段によって「一見化」したものがポスターであり,その過程で大事なのが論理とデザインの一致です.
文脈的に、デザインという言葉を視覚的表現に意味を限定して使われているようですが、Webデザインとの共通性を見出さずにはいられないフレーズ。情報、コンテンツの論理的構造と視覚的表現の結合強度をどのあたりに落とし込むべきかっていうか。強くすればするほどわかりやすいけれど平凡、逆に張れば見た目には面白いけどわかりにくい......みたいな。