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人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること

何がきっかけで買ったのか、いつ読み終えたのかも覚えていない『人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること』について覚え書きしておきます。8人の学者へのインタビューを一冊に取りまとめたものですが、科学の最先端に詳しい方々の考えを知るのはなかなか面白かったです。例えばデビッド・A・シンクレア氏の言葉として紹介されている

老化は病気の一種であり、治療できる

なんてのは想像すらしたことがない。老化というのは回避することのできない不可逆的な現象としか認識できていなかったので......非常に刺激的。ただまあその「治療」が可能だとして、そこまでして老化を避けたいか、長生きしたいかと言えば、まったく自分はそう思えません。もちろん健康寿命については、延ばしたい!続いては

捨てるべきは、すべての物質は原子で成り立っているという固定観念です。これはある種の傲慢な考えです。そもそも、われわれ人間は、宇宙にあるものすべてが既知のもので成り立っていると思い込むほど、全知全能なのでしょうか。

とううリサ・ランドール氏の言葉。傲慢ね......ある意味、無知の知、を別の言い回しで表現したものかな。どれだけ科学が万能に映っても、常にそれは人間の観測可能な限界に制約を受けた範囲でそう映っているに過ぎないということは、頭の片隅に置いておきたい。

一見、組織化されたようにみえる生命体の行動は、体内のさまざまな信号のやりとりによる単純なインタラクションの結果にすぎません。

上記はチャールズ・コケル氏の言葉。すごく理解できる気がするし、同時に否定したくもなる、不思議なフレーズです。ある意味、自分自身のもつ固有性だったり、独立性というのかな、そういうのを信じたいからこそ、物理法則だけで動いているわけではない......と思いたがるいっぽうで、それを否定しようとすれば途端にオカルトっぽくなってしまいそうで以下略。

科学はそのほとんどの知識がtentative(暫定的、一時的)なもので、それが重力の法則のように不変の心理になるにはかなりの時間がかかる

上記は、エピローグのなかで紹介されていた、ポール・ナース氏の言葉。肝に銘じよう、まだまだこの先、常識であるかのように思い込んでいたものが覆されることはいくらでも起こり得る。

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