転身力
著
まだ卒業が確定したわけではないけれど、とにかく研究成果報告書は提出したわけで。2年近く履いてきたなんて信じ難いのですが、社会人と学生の二足草鞋を、来月には脱ぐことになります。いまいちピンと来ないけれど、再び転身のタイミングが近づきつつあるということで読んだのが『転身力 「新しい自分」の見つけ方、育て方』。
寿命がさらに延びるなかで、働き方や生き方、物の考え方を変えずに人生の終わりまで走り切ることはできない。
割と頑固なほうの人間というのは自他共に認めるところで、物の考え方をあまり積極的に変えたがらないタイプだと分かっているから、上記は深刻に受け止めなければと思っているし、実際この48〜50歳のタイミングで価値観を再構築するつもり。少なくとも働き方は、既に変え始めています。
本書で述べる転身は、自分自身の中身を変える変身ではない。あくまで現在の自分をどのように活かすかがポイントで、転身先だけを考えてもうまくはいかない。
転身とは革新的に進めるものではなく、漸進的なプロセスであり、過去〜現在〜未来の連続性に着目して臨むべきという風に理解しました。そもそも中身を変えるなんて大それたこと、できそうにないですしね笑。ちょっとずつ着実に、行動を変え続けることが大事かなと思ったり。
人生の後半戦を今まで通りの右肩上がり的な働き方を続けることはできない。どこかで新たな価値観で生き直すことが求められる。
出たー、「右肩上がり」。もうその幻想に騙されるほど若くはない、というのは明確に意識できています。もちろん「右肩上がり」を目指すことが悪だとは思わないし、目指し続けたい部分もあるけれど、総体としては最早そういう年齢じゃなくなるなって。
自分が本当に大切だと思うことに時間もお金も使うステージに向かう。自分の可能性はいくつになっても追い求めていいのだ。
時間にしろお金にしろ有限であるからして、なかなか難しい。当然、家族との折り合いも考えなければならず、自分一人のワガママで好き勝手に使って良いものでもないでしょうし。というか、そういう部分もちゃんと包含したうえで使え、ということなんでしょうね。
道草を経験していない人は、目的だけを考えているきらいがある。別の経験をした余裕が、他の多くの道筋があることに気づかせてくれるのである。
いやーこれはありがたいアドバイス。道草は大事、無駄遣いも(限度はあるにせよ)大事。そういうのがあってこそ、目的志向の行動がよりシャープになっていくというのは、過去の経験からも感じるところ。ただやっぱりバランスが難しいですけどね(ここでも「要はバランス」か笑)。
「好き」と「こちらの道の方が自分を活かせるのではないか」の2つの間でバランスをとりながら進んでいくのは非常に健康的である。
健康的、という言い回しを持ってきたのが新鮮でした。常に健康的でありたい!