Webアクセシビリティの謬説
著
Accessibility Mythsというサイトが公開されていたようで。まぁその、よくある感じのWebアクセシビリティ啓発サイトですね。項目数は本稿執筆時点で22......自分もこの手の神話もとい謬説を、企業のWeb担当者の方向けにセミナーなどで話すことがありますが、数はもっと絞ってるかな。眺めた限り似たようなもの、部分的に重複してる項目もありますしね。原文がわかりにくいところはあるけど、MITライセンスだし、ひとまず項目だけ雑に訳出してみる:
- アクセシビリティはユーザーのごく一部にしか影響しない
- 障害者が自分の運用しているWebサイトを利用することはない
- Webサイトをアクセシブルにするにはお金も時間もかかる
- アクセシビリティはコンテンツの公開直前のわずかな時間に付け足すことができる
- アクセシビリティとは単に画像に代替テキストを提供すること
- Webアクセシビリティには開発者のみ携われば良い
- アクセシビリティは障害者にしか役立たない
- Webサイトをアクセシブルにすることは(アクセスしやすくなる以外の)付加価値を生まない
- アクセシビリティは自動チェッカーやオーバーレイソリューションで修正できる
- 自分の運用しているWebサイトをアクセシブルにするのに必要なのは自動化ツールを使うことだけ
- アクセシビリティは視覚障害者のためだけのもの
- アクセシビリティはオプション
- アクセシビリティは訴訟の回避にのみ関連する
- アクセシビリティはWCAGに従うだけのこと
- ARIA属性を足しさえすればアクセシビリティを確保できる
- (アクセシビリティの原則に)準拠する必要はない
- 専門家にしかアクセシビリティ上の問題は修正できない
- アクセシビリティとは機能みたいなもので、ひとたび備えれば他に必要なことはない
- 障害者向けに特化したWebサイトを別に用意すればアクセシビリティを確保したことになる
- 障害者はWebを利用していない
- 視覚障害者が映画を見ることはない
- アクセシビリティは障害者にしか検証できない
ARIA属性に言及してるあたり、想定読者はWebデザイナーとかWeb開発者なんだろうか。自分なら、sergeicodes/a11ymythsにプルリクしないまでも、上記と被りにくいところで以下の2項目を加えたい。
- アクセシビリティとは単に文字拡大ボタンや色反転ボタンを提供すること
- アクセシビリティに取り組むとWebページの見た目が平凡になったり醜くなる
ちなみに完全に余談ですが......謬説といえば、最近【ビジネス書100冊】034_瞬読(著:山中 恵美子) - YouTubeを見て、Category:広く信じられた謬説 - Wikipediaを知りました。なかなか興味深いです。