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人類はなぜ宇宙へ行くのか(シリーズ〈宇宙総合学〉3)

シリーズ3冊目、『人類はなぜ宇宙へ行くのか(シリーズ〈宇宙総合学〉3)』の中から、特に興味深かったところをいくつか。

好奇心をもたない人類に未来はあるのでしょうか?

自分自身を、そして興味関心の対象としての有人宇宙開発を正当化する目的において、「ない!」と声高に喧伝したい問いではありますが、もちろん主観であって科学的根拠も何もあったものではない......けど、いつの日か、この問いに「科学的に」答えを出せる日が来るのだろうか? 来る前に自分が死にそうだな? とか思いました。

大航海時代に代表される「世界の探査」は,探検的な要素をもつとともに,領土の拡大・獲得を目的とした侵略(軍事的活動)や,富の追求を目的とした交易(経済的活動)という要素を伴います.

まぁどっちの目的も確かに宇宙活動、宇宙進出の理由、目的、動機たり得るし、その前提において必要なのはバランスであり法律(国際法、宇宙法)かなって思います。ただ現状、宇宙利用に関して法整備はかなり危ういというか無法地帯に近い? イメージが個人的にあって、先行きはだいぶ不安。

私たちが知っている生命は,現在,および化石からその存在がうかがえる過去の,地球上の生命だけです.つまり,私たちが「生物学」と呼んでいるものは,正確には,地球の生命に限定された「地球生物学」にすぎません.

最後の「すぎません」が実に味わい深い。現存の生物学という学問領域を殊更に矮小化する意図は当然ないでしょうけど、視野の狭さに対する暗黙的な指摘というか、本来もっと生命を普遍的な存在として取り扱うべき、いや取り扱えるはずという期待、そういう想いを強く感じます。やっぱり宇宙生物学を若い時分に専攻できたら楽しかっただろうな......と妄想。

地球上に生きていて,宇宙規模の災害を心配する人は,映画好きな人くらいではないでしょうか.

広報の視点で考えると、まずこの事実を変えていかなければならないかなぁとは感じます。宇宙災害が現実のものとなる頻度なり影響度が、身近な天気予報と比べあまりに軽んじられすぎてはいないだろうか、という懸念。実のところ、地球に衝突する小惑星なり太陽のスーパーフレアの発生などを予測・周知できたところで、打ち手はあまりない、というのがまた悩ましいところですが......この辺は宇宙倫理も絡んできそうだし、個別の議論に分けるべきではない気も。

「人類の存続」のような派手な大義名分を掲げても,宇宙進出を正当化する決定的な論拠には必ずしもならない,ということは心にとどめておいてください.

......はい笑

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