BtoBマーケティング偏差値UP
著
『BtoBマーケティング偏差値UP』を読了。マーケティング本あるあるだけど、略語がバンバン出てくるのが普通につらい、というか読みにくい。加えて説教臭さも強烈に感じました......が、その点は日本の企業文化に対する著者の深い失望のあらわれと理解して読み進めました。
日本の多くのBtoB企業は「マーケティングは必要だ」と考え、いろいろ取り組んでお金も人材も使っています。しかし、それらの多くは残念ながら部分最適でつながっておらず、「やっているつもり」なのです。
以後、部分最適という言葉が何度か出てきたけど、結局のところ縦割りな企業文化で全体最適できていないのが一番の問題、という風に受け止めています。特にマーケと営業の接続まわりのデザインというか、コミュニケーションというか。
経営層が営業部門を統治できていない、つまりガバナンスが弱いのです。その結果、中期経営計画に明記してある「マーケティングの強化」が骨抜きになってしまうのです。
ガバナンスが強ければ何でもできる、とは思わないけれど、組織が大きければ大きいほど、実際には同じ舟に乗っているはずなのに全然違う目的地を目指しがち。マーケと営業が同じゴールを共有できないことの悲劇、多いのかしらね。
戦略と戦術の大きな違いは、戦略には自由度を与えてはならず、戦術には自由度を与えなければならない
著者曰く、日本のダメなマーケはここがあべこべ(戦略に自由度があり、戦術に自由度がない)らしい。戦略、戦術に加えて後半では戦闘教義という言葉が出てくるのだけど......面白い。これまで聞いたことのなかった言葉で勉強になりましたわ。