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Re: 宇宙の視座から考える「地球と人類」の未来

日本銀行の広報誌「にちぎん」No.64に掲載されている、日本科学未来館 館長の毛利 衛氏へのインタビュー記事『宇宙の視座から考える「地球と人類」の未来』を読みました。毛利氏の言葉を読むというのは随分と久しぶりな気がしますが、それはさておき気になるところがあったので覚え書き。まず最初に、火星への移住は現実的に難しいか? との問いに対する答えの部分:

探査はそのうちするでしょうが、移住は不可能です。というのは、地球上で人間が生き延びられるのは、過去四〇億年からの生命のつながりの中にいるからです。地球を捨てて火星に移住する意味は何でしょうか。ロボットならいいですね。南極や砂漠に住めるようにする方が生命として自然です。

火星で自立した文明を確立する、なんて構想をブチ上げているElon Musk氏(イーロン・マスク氏、話題の「Clubhouse」に登場--火星、脳インプラントなどを語る - CNET Japan参照)と非常に対照的なお言葉。文明云々以前に、不可能と力強く言い切っています。しかしその説明からは、どうも非科学的で曖昧な印象を受けてしまう......まぁ実際、難しいだろうとは思いつつも、Musk氏(というかSpaceX社)のこれまでの偉業を思えばこそ、ひょっとしたらひょっとするかもって期待したい自分を否定できないw

日本人は自然に恵まれた列島を中心に二千年以上も世代を超えてつながって暮らしてきました。ですから「宇宙へどんどん行く」ということになじめません。日本人にとって、宇宙は自然と同じで、汚してはいけない神聖なものなのです。

これまた個人的には賛同しかねるお言葉......日本人、という比較的デカい主語を使っている点に目をつぶったとしても、果たして本当に日本人は宇宙へ行くことになじめないのか? その理由は宇宙を神聖視してきたからなのか? そもそも宇宙に進出することは宇宙を「汚す」行為なのか? 宇宙に進出する・しない以前に、今や日本人は自然をさほど神聖視してもいなければ、十分すぎるほど自然を汚してしまっているようにも思えるけれど。

ようやく米国でも宇宙進出より地球を守ろうという人々が増えてきましたと述べているくだり、ソースを提示していただきたいところですが、ちょっと自分なりに調べつつ考えてみようかなと。

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