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IT時代の山岳遭難

Amazonの購入履歴によると、買ったのは11月15日だったようですが、今年読んだ一冊として『IT時代の山岳遭難』について覚え書きしておきます。山歩きとIT/Web技術、双方に興味を持つ身として読んでおかねば!と思ったのが購入動機。アプリの詳細な操作方法の紹介なんかが予想外にあって、そういうくだりには興味がなかったというか読み飛ばしたのですけど。

体系的に構成されたウェブサイトであっても、解りやすかったり、関心が強かったりするページのみ閲覧してしまうことになる。閲覧者の利便性を考えてユーザリティを上げることが、本来は必要となる情報を取りこぼしてしまうことに結びつきやすい。

Web上で登山に関する情報が充実してきたいっぽう、山岳会のような組織の活動がかつての活発さを徐々に失いつつあるなか、登山についてWebで独学することの是非を論ずる文脈で登場するのが上記のくだり。非常に興味深い......本来であれば体系的に学ぶべきことも、Webの特性上「つまみ食い」できてしまう。まぁ書籍なんかでも同じ状況には陥り得るから、究極的には独学の是非みたいな議論になるかな。内容の信憑性という点では、まだWebより書籍に軍配が上がるか。

危険が迫る状況でも、他人の評価を意識する気持ちが強いと、安全よりも、本来得られるはずだった評価を優先する判断を下してしまう。また、ときには、目に入った危険を危険ではないものとして、意識から押しやってしまう。

これまた興味深いお話。SNS全盛の昨今にあって、承認欲求の度が過ぎると自らの命を危険に晒しかねないというね。自分も山歩きに行けば、割と現地からSNSに投稿はしているクチなので、気をつけなければいけないけれど......確かにスピード自慢的な投稿は、ヤマレコでだったかどうかはさておき、目にした記憶があります。自分も昔は多少、コースタイムの何割で歩けたか気にしていたけれど、下ノ廊下で昨年怪我をしたことにより、今年の山行では安全第一・無事の帰宅を一層強く意識するようになりました。

水は電波を通さない。万が一、滝壺などに転落して死亡し、水中の倒木などに体が引っかかって水没したままの場合は、たとえココヘリを持っていたとしても、その遺体を発見できないことは知っておこう。

なるほど......ココヘリは自分も利用していますが、たとえ防水性能(防水等級でいう「IPX8」らしい)により水に耐えたとしても、って感じなのですね。

インターネットやスマートフォンを積極的に活用しない世代が、登山のボリュームゾーンであるために、登山者向けサービスの利用が進んでいないという状況が見えてくる。

上記は、さまざまなIT技術やWebサービスが登山者向けに提供されて久しいのに遭難が増えているのはなぜ? という文脈で出てくるくだり。確かに、70代とかそれ以上の高齢者にはなかなか、厳しいだろうなぁ。ココヘリについては、PCもスマホも必要としないし、なんなら電源のオンオフ操作も省いて(定期的な充電は忘れずに)携帯するだけなので、導入してもらいやすそうだけど。もうあと15〜20年も経てば、様相は変わってくるかしらね。

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