ガタカ
著
柴田さんが2012年当時の評価で「おすすめ」していた映画、『ガタカ(Gattaca)』を見ました。正直コメントしにくいけれど、感想としては、なかなか難しい映画だなぁと思いました。自分の好きな宇宙モノではあるのですが、いかにもそれっぽいロケットなんかが登場するシーンはごくわずかで、むしろサスペンス要素が強く印象に残った作品。詳細はガタカ - Wikipedia参照。
難しい、と感じた最大の理由は、結局のところ何が主題なのか掴みかねたあたり。宇宙飛行士になれるかどうかを含め、人生の大半が生まれる前から決定づけられるという高度に? 科学の発達した世界観が、優生思想へのアンチテーゼなのは明らかと思いつつ......兄弟間の確執、生体IDを他者に委ねた元水泳選手の悲哀、それにレトロフューチャーが過ぎて個人的にはかえって違和感の強いビジュアルがないまぜになり以下略。
今でも宇宙に行きたいと思っている端くれとしては、最終的に宇宙に行けることになった主人公を羨ましく思うし、そこに人生は予測不能という一種の希望を感じもするけれど。もう一回見たいと思う映画か? と言われると、明確にNOかな......結局のところ、生体IDの扱いが雑に映ってしまったというか、描かれている世界観、科学レベルからすれば主人公の身元詐称は一瞬でバレて然るべきと感じたので。