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後付けのアクセシビリティソリューションベンダーに向け一言

Webアクセシビリティ Advent Calendar 2020、最終日の記事です。さすがに同じWebアクセシビリティというテーマで8年目ともなると容易には枠が埋まらず、今年のカレンダーでは9日、22日に続き3度目の登場となります。「またお前か」と思われた皆様には、ただただ申し訳なく思います。偉大な? マンネリを続けるというのも、なかなか大変なものですね。参加してくださった皆様には御礼申し上げます、ありがとうございました。

さて、数日前にUsableNetが A Record-Breaking Year for ADA Digital Accessibility Lawsuitsという記事を公開、ADAに基づくデジタルアクセシビリティ関連訴訟の今年の動向を総括されていました。総件数でいうと対前年で23%増の3550件ということで、2018年(2314件)から2019年(2890件)にかけてと同じ増加ペースを示しており、なかなか大変な状況であります。

同記事ではさまざまな分析、数値が紹介されているのですが、自分が特に興味を引かれたのはMore than 200 cases were against companies that used accessibility widgets or overlays.というくだり。なんでも、ウィジェットないしオーバーレイ方式のソリューションを採用していた企業への訴訟が250件以上あって、特に下半期に顕著な増加を示した(1件/日を超えた)のだそう。この「オーバーレイ」、振り返ってみると英語圏のアクセシビリティ界隈をウォッチしていて今年特に気になった言葉です。例えば、この辺の記事ね:

今あるサイトなりコンテンツに手を加えることなく自動でアクセシブルにできる、そんな謳い文句のソリューションに飛びつきたくなるWeb担当者の心理は、先述の訴訟件数の多さを踏まえれば理解できます。しかし複数の識者が指摘されている通り、その手の「お手軽」ソリューションのなかには、導入前よりもアクセシビリティを低下させてしまうものがあるらしい。品質を改善しようとベンダーにお金を払った結果が実は改悪だったなんて、冗談キツいですね。

とまぁそんなわけでウィジェット、オーバーレイ......手法が何であれ来たる2021年、その手の冗談がキツい「後付けの」アクセシビリティソリューションと対峙する機会があれば、全力で戦おうと思う次第です。どうぞよろしくお願いいたします。

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