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ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと

そういえばしばらく、読んだ本について書いてなかったなって。『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』は、同僚がLTで紹介したのがきっかけで知ったのだっけ。少しだけお借りしパラパラ斜め読んで、なかなか面白そうだったのでKindle版を購入しました。著者の実績には足元にも及ばないのだけど、自分もWeb文脈でブランディングを語る機会が少なからずあるので、見解に相違があるか、あるとすればどの辺りかをチェックするのが目的。

結果的に、違和感を覚えるようなところはなく、ブランドに対する捉え方だったり、それがなぜ重要になってきているかの時代背景については、概ね同じ見解だったような。日本を単一民族と記載していたのには(2箇所出てくる)、いやいやちょっと待って......ってなりましたけど。ブランド/ブランディング論よりむしろ、言語的・文化的ギャップに対する著者の捉え方が参考になったというか、興味深く拝読しました。日本人はなぜ「伝える」のが苦手なのかという章で、

日本人は成長の段階で、自分の意見を伝えたり自分を表現したりする機会が圧倒的に少なく、自己主張や自己表現することに慣れていない

とあったのは、若かりし頃に留学した時点で認識していたけど、2つ目の理由として挙げていた日本語の言語文化の性質については、もっと強く認識したうえで留学できたら良かったのに、などと後悔しましたね。著者の類別に基づくなら日本語はハイコンテクスト言語であり、

ローコンテクストな言語は、共通な文化、環境、価値観、考え方を持たない相手でも、その共通認識に依存しないので、話し手が言語だけで明確に、シンプルに、正確に伝えることが求められます。

というのと対照的なわけです。その違いをよくよく理解していたなら、自分が渡米した際の覚悟もちょっと違ったものになっていただろうな、と。まぁ少数民族国家の日本もいずれは中間層と呼ばれる層が今よりバラけるなどし、価値観が多様化したり共通認識(「普通」とか呼ばれる何か)が崩れていき......てなことを淡く期待しているけれど、自分が生きているうちは難しいかも。

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