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Re: 富野由悠季さん、展覧会で語った反省 「ガンダム、敗北感しかない」

「富野由悠季の世界」展はまだ行っていなくて、そのうち行けるだろうなどと悠長に構えていられることからも、自分が富野氏の熱烈なファンでないのは明らかですけど、とはいえガンダムという作品が世に生まれていなければ間違いなく違う人生を歩んでいたであろうこともまた事実であり、うんたらかんたら。で、最近富野由悠季さん、展覧会で語った反省 「ガンダム、敗北感しかない」というインタビュー記事を読みました。

簡単な言い方をすると、『真』を打つことができていない。人類がここまでやってきたことが真なのか、真ではないのかという話になった時に、この部分を書きたかったけど、力不足で誰も目を向けてくれなかった

そうかなぁ......誰も、とおっしゃるけれど、富野氏の望んだ目線では無かったにせよ、多くの人が目を向けていたし、向け続けてもいると思いますがね。相変わらずひねくれてらっしゃるなぁ、とも思いますし、年老いてなおそのひねくれ方を維持できているのは実に素晴らしいとも思います。

社会の構造は、経済構造を含めて問題点がものすごくある。これを22、23世紀に向けて解きほぐすことができるかと言うと、解きほぐすことができないと分かってしまったという現実的な厳しさがあります。これはとんでもなくきついことです

流石に自分はそこまで達観もしていなければ諦めてもいないけれど、かといって楽観できる材料も大して見当たらず、まぁ厳しいなとは思いますね。自分の場合、ミヒャエル・エンデ氏の「私たちは、社会的災難と環境問題的災難、この二つから一つを選ばなければならない」て言葉が、高校生だった頃から一種の呪いのように頭にこびりついてしまっているからな。

ちょっとどころではない絶対的な諦めがありますよ。でも子供たちにうそをつきたくないから、本当の話はしない。だからとりあえずは明るく元気に楽しくというのを見せる。だけど、その体制、つまり地球をつくるというのはどういうことなのか、かなり問題があるんだよという設定を持ち込んだつもりです

「とりあえずは明るく元気に楽しくというのを見せる」というのは、見方によってはうそをついていることになりはしませんか。アニメという手法にこだわり続けるのもいいけど、いい加減そろそろ子供に真正面から言いたいことを言葉でストレートにぶつけても良いのではないですか。今どきの子供、その「絶対的な諦め」ってヤツだってちゃんと受け止めてくれると僕は思いますけど。そんな感想を抱きました。

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