定年消滅時代をどう生きるか
著
なぜ買ったのか、いつ読み終わったのかも覚えていない、『定年消滅時代をどう生きるか』について。マーカーを引いた中から引用しつつ、雑に覚え書き。
国内企業の平均寿命は2018年の時点で24年にまで縮まってきている
24年を長いと見るか、短いと見るかは、人それぞれでしょう。自分は、ベンチャー企業が短期サイクルで現れては消えていくのを割と間近に感じられる業界に長く身を置いてきたから、どちらかといえば長く感じました。が、文脈としては伸び続ける人の平均寿命に比べ......って感じだったので、短く感じる「べき」だったのでしょう。
平均的な働き方をする日本人であれば、計算の上では人生で3つの仕事や会社を経験しなければなりません
しなければ、とあるけれど、これは歓迎すべき社会変化でしょうね。自分は現在の勤務先においては長く働いているほうですけれど、それでも4社目(出向先をカウントに含めるなら5社目)ですからね。いろんな環境をもっと自由に低リスクで経験できた方が、世の中全体としては面白くて豊かだと思うし、健全とすら感じます。
デジタル技術を駆使して、専門家のスキルを習得する時間が劇的に短縮できるというのは、非常に有意義
うーん、他にも本書で何箇所か似たようなくだりが出てくるのですけど、著者はデジタル技術に過度の期待を抱きすぎているような気がします。デジタル技術がスキル習得を加速させる面は確かにあるにせよ、職種によって向き不向きは当然あるはずなわけで。というかそもそも、機械に任せられる仕事はどんどん人間ではなく機械に任せていく流れなわけで以下略。
政府の最終的な目標は75歳定年が当たり前の社会に持っていくことでしょう
......つらい(つらい
今まで終身雇用が機能していたのは、過去のものとなりつつある大量生産・大量消費の時代において、会社に従順な社員を長時間労働させることに成功していたから
果たして「会社に」従順だったんでしょうかね? 建築関係の自営業を生業としていた父の夜なべを子供の頃に目の当たりにしてきたけれど、「会社に」というより、高度成長期には実際それだけ多く仕事があったわけで、頑張ったら頑張ったなりの見返りが約束されやすかった「時代背景に」従順だったのではないかしら。
自分が希望する職種には世界中でどれだけの競争相手がいて、自分はどう戦っていけばよいかを、学生のうちに考えておいてほしい
これに近しいことは、息子に言って聞かせています。学生のうちにというより、働き続ける限りずっと必要な思考として。