@kazuhito
Kazuhito Kidachi's Personal Web Site Since 2000

Re: 気候変動を理解するには「キャピタロセン」を理解せよ:ある環境史学者の提言

気候変動を理解するには「キャピタロセン」を理解せよ:ある環境史学者の提言|WIRED.jpを読みました。地球環境の保全やそれを前提とした資本主義のあり方について関心のある自分には、たいへん興味深い内容でした。

われわれはいま、人類がかつて経験したことのない危機に対峙するという不幸な栄誉にあずかっている。われわれ人間が引き起こした急激な気候変動が、大海の一滴の水も大地のひと粒の砂も残らず変容させ、地球上のあらゆる生物を脅かしているのだ。かつてない猛烈な嵐、すさまじい熱波、歯止めの利かない環境汚染が、人々の命を奪い続けている。

今年、関東地方(だけじゃ無いけど)に甚大な被害をもたらした台風15号と19号だけをもってして上記の内容に賛同するわけでは無いけれど、ともあれ年々確実に住みにくい方向に気候が変動しているように感じていて。たかだか46年しか生きていないにも関わらず、その中で感じ取れてしまうほどの急速な変動とは、いかにも恐ろしい感覚があります。

人間が環境に与えた影響は自分たちで埋め合わせしなければならない、もっと環境に優しい消費者にならなければならない、人口増加に気を配らなければならない、といった具合です。しかし、力と富が極端に不平等な世の中の仕組みによって、そう思い込まされているにすぎません。

なるほど、環境負荷を少しずつでも抑えていくには消費者一人一人の意識改革が必要なんて風に思ってきたし、実際それはそれで一定の必要性があるのは確かだけれど、環境負荷の元をたどればそれが正しいとも言い切れないわけね。温室効果ガスの70パーセントは100社ほどの企業が排出したものという数字は初めて目にした気がするけど、真偽はさておきインパクトがあります。

資本主義は、ほとんどの人が考えているよりずっと壊れやすいものです。資本主義が社会的な正当性をもつのは、何らかのかたちで発展を約束できる場合に限られます。しかしもはや、その約束を本気で信じる人などひとりもいないはずです。

その壊れやすさが本物なら、まだ少しは未来に期待を持てるのかもね。自分は社会主義を望んでいるわけでは無いけれど、今の姿のままで資本主義が存続すべきという立場にもなく。温室効果ガスの排出元にしろ権力にしろ何にしろ、行き過ぎた偏在は社会全体の安定に寄与しない印象が強くて。だから正直、GAFA解体論には一理あるようにも思っているし、それは圧倒的な金融資本力は、当然ながら列強の国々にしっかり支えられていることに対しムーア氏がかえって世界全体を不安定かつ脆弱にしていると考えているのに近いです。

現在地:ホーム > 覚え書き > 月別アーカイブ > 2019年10月 > Re: 気候変動を理解するには「キャピタロセン」を理解せよ:ある環境史学者の提言
Google カスタム検索を利用しています