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黒部峡谷・下ノ廊下ツアー 2019

白竜峡

10/18〜10/20の覚え書き。もともと10/12〜14の3連休に下ノ廊下を歩きに行くつもりで、だいぶ早い時期からロッジくろよん阿曽原温泉小屋に予約を入れていたのですけど、台風19号の接近に伴いどちらも泣く泣くキャンセル。もう今年は十中八九行けないなぁ、などと諦めの境地だったのですが、奇跡的に? 阿曽原温泉小屋で19日の晩に空きができたとのこと、急遽18日に有給休暇をいただいて出向くことに。

台風19号の影響から、頼りにしてきた特急あずさや北陸新幹線が運休していたため、往路・復路ともにこれまでとは異なる手段・ルートで行程を組んで臨んだ、自己6度目の下ノ廊下。しかし結果から先に書くと、白竜峡と十字峡のあいだで岩に足を滑らせ転倒、左腕を骨折し阿曽原温泉小屋から黒部市民病院へ救急搬送される残念な結果となりました。しかし「黒部に怪我なし」の言葉からすれば、怪我で済んでまだ幸運だったわけで、阿曽原温泉小屋の皆さん、富山県黒部警察署の皆さんには感謝しかありません。

そういう事情から、道中撮影していた写真は阿曽原温泉小屋への到着まででほぼ途絶えているのですけど、それでも一応いつも通りな感じで下ノ廊下 2019 | Flickrにまとめました。

10月18日(1日目)

  1. 6時半くらいに自宅を出発、バスタ新宿へ。7:35発の白馬八方行き(新宿~白馬線)バス5503便に乗車。
  2. 途中、上里SAと筑北PAで2度休憩。高速道路も台風の影響で通行止になっている区間があり、信濃大町駅に12:06に着くはずが13:42着。
  3. 慌てても仕方ないし、初日は黒部ダムまで届けば良いので、駅前の豚のさんぽで昼食にラーメン。麺もスープも天下一品ぽいけど塩味は濃いめ。
  4. 14:20発のバスで扇沢を目指す。客は少なく、大町温泉郷からは貸切状態。黒部ダムまでの片道切符を買って、15時発の電気バスに乗車。
  5. なるほどトロリーバスよりかは車内の空間は余裕がある感じ。黒部ダムの展望台に着くと、弱い雨が降ったり止んだり。観光放水は既に時期的に終了してた。
  6. 紅葉もまだまだ下りて来てはいない。ひとまず屋内で缶コーヒーを飲みつつぼんやりと時間を潰す(ロッジくろよんには15時から入れたけど)。
  7. ぼちぼち向かうかってんで少し歩いて16:31ロッジくろよん着。天候からキャンセルが相次ぎ、工事関係者を除いては自分入れて宿泊客は6名。
  8. あてがわれた部屋は207号室、相部屋でないのは初めて。とても快適に夕食までの時間をまったり潰す。
  9. 夕食時、お隣のテーブルはご夫婦? だったもので、会話に混じるのもちょっと気まずく、一人黙々とご飯となめこ汁をお代わり。
  10. 翌日のお弁当を受け取ったらさっさと布団へゴー。

10月19日(2日目)

  1. 夜中に何度か目を覚ました時には外から強い雨音が聞こえてたけど、4時に起床した時は雨の音はしていなかった。それだけでラッキー。
  2. 午後から天気が崩れるのは予報で見ていたし、何より阿曽原温泉小屋に真っ先に到着して貸切風呂を味わいたく、4時半には身支度を整え出発。空には月が出ていた。
  3. 当然真っ暗なので、ヘッドランプが頼り。今年は熊の目撃情報が多いと聞いていたので、テント場を抜けたらすぐと熊鈴を鳴らしながら歩く。
  4. 黒部川を渡るところに5:35着。なんとか雨は降らなそう、ということで主に防寒のために着ていたレインウェアをしまいこんで気合を入れる。
  5. 内蔵助平に6:25着、いつもの個人的お弁当スポットに6:44着。しかし、食べ始めて間もなく雨脚が強まり、しばらく歩くことに。
  6. すると雨がやんだので、7:06に再び川べりでお弁当タイム。今度は完食するまで雨は降らなかった。新越沢合流点を7:49通過。
  7. 8:17、高巻きに取り付く。8:28、黒部別山沢通過。8:50、白竜峡到着。人っ子一人いないので、6度目にして初めて白竜峡で自撮りするなど。
  8. その後、おそらく9時過ぎのことだけど、平べったい岩の濡れた表面に足を滑らせ転倒。岩についた左腕に、身体の一部が乗っかる格好となり、激痛に悶絶。
  9. 痛みは時間が解決するだろう......と信じて歩き続けると、遠くに消防防災ヘリ。黒部峡谷で間近にヘリを見たのはこれが初めてで、まさか滑落事故か? と戦慄。
  10. 人を上げている様子は辛うじて見えたけれど、詳細は知る由もなく。その後、阿曽原温泉小屋に着いた際には、お亡くなりになっていたらしきことを聞く(誰も見ていないのですが・・・。 - 阿曽原温泉小屋参照)。
  11. 左腕の痛みに耐えて歩き続け、9:58には十字峡の展望台に到着。流石に、左手に不安がありすぎて一段下までは降りなかったけれど、景色は堪能。
  12. ふと気づけば左手の親指付け根付近に異常な腫れ。これはただ事ではないかも......と思いつつ歩き続け、11:03作廊谷合流点通過。
  13. 左手がほとんど使えず番線を握れないので、とにかくスピードを落とし慎重に歩く。11:14半月峡、11:16にS字峡看板通過。11:47、東谷吊橋を渡る。
  14. 例年通り、東谷吊橋を渡った先の広場みたいなところで休憩。しかしここで、左手に力を入れることができないせいで、水を飲めない事実を認識し、戦慄。
  15. もはや痛みに耐えて一刻も早く阿曽原温泉小屋に届くしかない。12:14仙人谷ダム到着。関西電力の施設を抜けた先の登りで途中再び足を滑らせ左手を地面に突き、悶絶。
  16. 手の甲全体がまるでドラえもんの手かよってくらい腫れ上がる。12:49権現峠通過、13時から下りに入る。しかしここで急に雨脚が強まり、再びレインウェアを上だけ着込む。
  17. 13:16に阿曽原温泉小屋に到着。佐々木さんの笑顔に迎えられるも、左手を痛めたことを伝え見せるや否や、この日のうちの下山すべきと言われ大ショック。
  18. 黒部警察署より常駐されていた方の応急処置により、左腕に当て木を当てて包帯で巻いたうえ三角巾で吊り、救急搬送されることに。
  19. 聞けば、やはり天候のためキャンセルが多く、宿泊客は29名=布団が一人一枚だったのに。あの素晴らしい露天風呂にも浸かれず帰らないといけないとは。
  20. しかし、何も(水分すら)口にしていなかったので、分けていただいたお菓子とお茶がなんとも美味しかった......本当にありがとうございました。完治して、きっと来年また来ます。
  21. 宇奈月駅からは救急車で。まさか腕の骨折疑いというだけで、人生3度目の救急車に乗ることになるとは......で、黒部市民病院でレントゲン撮影。
  22. 診断結果は、左手の付け根付近の骨にヒビが入っているとのこと。できる処置もないようで、ギプスを包帯で巻いてそのまま解放されてしまう。
  23. 痛み止めの薬は処方してもらったけど、もろもろ清算は後日とのこと。タクシーを呼んでいただき、黒部警察署へ。
  24. 警察署では阿曽原温泉小屋で借りた当て木を返却、転倒当時の話を担当者の方にしたり、軽く説教されるなどしてから、再びタクシーを呼んでいただく。
  25. 警察署の近くに安宿は見つけられなかったので、ホテルズドットコムのアプリから予約できたアパホテル魚津駅前へ。なんかもういろいろ想定外すぎて、手持ちの食料を適当に消費して即寝。

10月20日(3日目)

  1. 何度か目を覚ましながらも、ちゃんと起きたのは6時過ぎ。夜は全く外を気にしなかったけど、窓から日本海が見える。
  2. 朝食には手持ちの食料を再び消費。7:50にはホテルをチェックアウトして、魚津駅へ。8:12発の金沢行きの電車、無事に座れたので助かった。
  3. 9:39金沢着。時間があまりないからどうかなと思ったけど、そこで東京までの乗車券と金沢〜名古屋の自由席特急券を買い、特急しらさぎ6号に乗れた。
  4. 特急は9:48発。米原で新幹線の乗り換えても良かったけれど、なんとなく名古屋ですぐまたのぞみに乗り換えるの面倒なので、しらさぎで名古屋まで行くことに。
  5. 名古屋には12:48頃着。座ってるだけとはいえ、電車移動に飽きてしまい、名古屋駅で少し休む時間を空けて新幹線の指定席を確保。南ラチ内のスタバに寄る。
  6. そんなこんなで東京駅には15:02頃着、田端駅には15:22着。まさか左腕を三角巾で吊って帰ってくることになるとは夢にも思わなかったけれど、生きて帰宅できて良かった。

使用したお金(主要な項目のみ)

10月18日(1日目)
  • バスタ新宿→信濃大町駅 バス5503便 4,300円
  • 扇沢→黒部ダム 電気バス 1,390円
  • ロッジくろよん(1泊2食) 10,500円
10月19日(2日目)
  • 欅平→宇奈月 トロッコ列車 1,980円
  • 黒部市民病院→黒部警察署 タクシー 1,120円
  • 黒部警察署→アパホテル魚津駅前 タクシー 3,120円
  • アパホテル魚津駅前 6,300円
10月20日(3日目)
  • 魚津→金沢 1,650円
  • 金沢→名古屋 自由席特急券+金沢→東京 乗車券 12,210円
  • 名古屋→東京 新幹線指定席 4,920円
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