定年前にはじめる生前整理
著
『定年前にはじめる生前整理 人生後半が変わる4ステップ』を読みました。我ながら、こんなタイトルの本を読むなんてちょっと早すぎないだろうか? とは感じつつも、80歳まで仮に生きながらえるとして「人生後半」に突入しているのは間違いないし、特に今年に入ってからは義父が亡くなるなど世の無常を強く感じさせられるイベントが続いたことで、こういう本も読み始めています。
40代までは、まだまだ自分の人生の後半なんて想像できないかもしれません。しかし、50代を過ぎたあたりから、いっきに自分の体の変化、親の異変、親の死が訪れ、「家とモノの整理問題」が、現実的になります。
実はこの週末、息子と2人で実家に帰省しているのだけど、実家に置きっぱなしにしている僕個人の所有物については前回の帰省から段階的に整理を進めています。前回は書籍に特化してやっつけたのだけど、その調子でどんどん片付けを進めるつもり。親も、自分自身も、もっと身軽になるべきステージを迎えているという認識です。
「生前整理」を始めると、自分はこの先どんな人生を送りたいのかイメージすることができるようになります。モノの整理は、心の中の整理そのものなのです。
わかりみが深い。いざという時に家族や周囲の人が困ってしまわないようモノを減らしつつ整理整頓を心掛ける、というのが第一義ではあるけれど、そのプロセスを通じ今後自分が何を拠り所としてどう生き続けたいかが浮き彫りになります。手元に何を残すかの取捨選択によって、自ずとそういう思考をせざるを得ないんですよね。
若いころは、モノを欲望のままに買い、たとえ失敗しても、選ぶ目を養う勉強代ということで許されたかもしれません。でも50〜60代にもなれば勉強はおしまいです。
お金の使い方を学ぶには無駄遣いをすることも時には大切......とは父の教えだけれど、まぁ、もうそういう歳ではないですからね。いずれは息子も独立して家を出て行くことを想定しつつ(出て行ってもらわないと困るわけだけど)なお一層、メリハリの利いたお金の使い方をしなければならないと思いました。
50〜60代は、予期せぬことが起こるものです。その時慌てないように、早めに「いつまでに、何をする」という目標をもうけ、具体的な計画をたてて、行動に移すことが重要なのです。
......であればこそ、その来たるべき混沌とした50〜60代に備えるべく40代半ばから本書のような書籍を読むのは、必ずしも早過ぎたわけではないことがわかります。この先はもう、残された時間や体力との競争なのだ、という意識は常に持ち続けたい。