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ニューエコノミクスと『More from Less』

5月にニューズウィーク日本版に掲載された記事、さよならGDP 「ニューエコノミクス」は地球を救うかというのは、資本主義と地球環境の関係や行く末に興味がある(というか半ば憂いている)自分にとって、大変興味深いものでした。

飽くなき経済成長の追求は地球上の生命を支える基盤を蝕んでおり、このままの流れが続けば、貧富にかかわらず、どの国も苦い結果を避けることはできそうにない──。このことは今や、科学的にも裏付けられつつある。

記事冒頭のこのくだりは、かつて『アインシュタインロマン』で目にして以来、自分に大きな影響を及ぼし続けている故ミヒャエル・エンデ氏の予言と整合しています。同記事には、ローリー・レイバーンラングトン氏の言葉として

環境の崩壊と気候変動という双子の課題に対処できるような経済体制を目指して私たちがしっかり進んでいくために必要なことをやっている国家は、地球上には存在しない

というくだりもあって、もしもエンデ氏がご存命であったなら、レイバーンラングトン氏と連携のうえますます声を大にして警鐘を鳴らしていたかもしれないな、と。しかし、つい数日前に読んだMIT Tech Review: アンドリュー・マカフィー「資本主義の強化こそが温暖化対策」ではこれに反し、

成長と地球環境悪化のそうした「デカップリング(分離、非連動)」は他の経済大国や、開発途上国にも見られる。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院の主席研究員であり、経済学者であるアンドリュー・マカフィーは、ほぼ確実に物議を醸すであろう最新の著作の中でそう主張する。マカフィーは、この現象は経済史における重要な転換点を意味しており、地球を衰退させることなく世界の人口増加を維持したいのであれば、必要不可欠の要素であると断言する。

とある。なんとまぁ、対照的な主張であることよ!!けれど頭ごなしに否定するつもりは毛頭なく、今年10月に発行予定という氏の著作、『More from Less』には俄然、興味を持ち始めている次第。日本語訳がどこかから出版されるとありがたいけど、どうかなぁ。

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