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ドキュメント 滑落遭難

Kindle版のヤマケイ文庫が値下がりしていたのを機に、『空飛ぶ山岳救助隊 ヘリ・レスキューに命を懸けた男、篠原秋彦』と同時に購入して読んだのが『ドキュメント 滑落遭難』。著者は、いずれも同じ羽根田 治 氏。ゆっくりとしかし確実に、今年も北アルプスにお出かけする時期が近づきそわそわしてきたので、遭難しないためのイメージトレーニングにと思って読みました。

それでも転滑落事故は起こる。ベテランであろうが初心者であろうが関係ない。ちょっとした不注意や油断が命取りになってしまうのが転滑落事故なのだ。

よく言われるのが、本当に危ないところでは事故は起こりにくく、そういう箇所を抜けた先の「なぜこんなところで......」という場所で事故は起こるという。まさに、気を張り終えた直後の油断なり慢心が、転滑落を呼び起こしてしまうのだろうと思います。

入山中つねにテンションを持続するのは疲れるし不可能であるので、自身の精神コントロールが重要。

常々、山歩きが自身にとって一種の精神修行のような側面を持って感じられるのは、上記が理由であるところが大きいように思いました(加えて臨機応変さ、柔軟な判断が一挙手一投足に求められるところも)。なので、精一杯気を張るところと緩めるところ、緩急のつけ方みたいなものは、おかげさまでだいぶ身につけつつあるような。

万一の事故が起きてしまったときに、少しでも金銭的負担を軽減してくれるのが山岳保険なのである。山岳保険は決して自分のためだけのものではない。家族や仲間にかかってくる負担を減らすためのものでもあるのだ。

偶然にして本書を読んでいるのと同時期に、嫁さんと話していて山岳保険に入った方がいいよとか、GPSを持ち歩いて欲しいとかいう話をされて、微妙にシンクロニシティを感じた次第。自分の場合は年間を通じて入るよりスポット的に加入するタイプが良さそう。あとGPSについては多分ココヘリのことを言っていたんだと思うけど、前向きに考えたい。

「道に迷った場合はすぐに引き返す」という山登りの行動原則を守ることは、道迷い遭難だけではなく転滑落遭難を防ぐことにも繋がる

道迷い、自分も何度か経験があります。その都度、ちゃんと引き返して目印なり足跡なりを探すなどして事なきを得ているけれど、今後もしっかり気をつけたいところ。加えて、本書でも何度か言及がなされていますが登山計画書の作成、提出、共有の重要性を再確認した次第。万が一のことが起きたとき、少しでも早く発見してもらえるように......。

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