グローバル・ブランド・イメージ戦略
著
『グローバル・ブランド・イメージ戦略:異なる文化圏ごとにマーケティングの最適化を探る』も、少し前に覚え書きした『企業の真価を問うグローバル・コーポレートガバナンス』同様、買ってみたら全然期待した内容と違かったパターン。なんていうか、めちゃアカデミックでとてもじゃないけど実務家向けではなかった......「第2部 実証編」なんか、単純傾斜有意性検定の意味がわからなかったので、ほとんど読み飛ばしたっていうか文字面をなぞったにすぎない。
ただ、終章にまとめられているようなグローバル・ブランド・イメージ(GBI)戦略と国民文化の掛け合わせというマトリクスから、どのような国・地域ではどういう訴求が刺さりそうかって分類、体系化の試みはこれまで目にしたことがなかったもので、非常に興味深かったです。GBI戦略については
- 機能的訴求
- 価格
- 品質
- 多様性・新規性
- 観念的訴求
- 集団
- ステータス
- 感情
- 社会貢献
としてまとめられ、国民文化については
- 権力格差の大小
- 個人主義か集団主義か
- 男性らしさが勝るか女性らしさが勝るか
- 不確実性回避の傾向の強弱
- 長期志向か短期志向か
- 気ままさが勝るか自制が勝るか
みたいな項目で整理されています。ある意味、この項目立てだけ眺めても面白い。ちょっと強めに感じたのは、品質ばかりを推しがちな日本企業、とりわけ製造業に対する警鐘というイメージ。確かに国・地域によっては品質=高コストと受け取られがちな傾向があるだろうし、品質は二の次・三の次っていう価値観なり状況だってあり得る。そこのところを割と口すっぱく主張されているかのように感じました。
関係ないけど、途中引き合いに出されていた3Mの15%カルチャーが気になりました。Googleの10%ルールに似ているというか、どちらが先だったのだろう的な。