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Re: 「合理的配慮」について、ふと思ったこと。

アクセシビリティと障害者支援技術の覚書: 「合理的配慮」について、ふと思ったこと。という記事を読みました。配慮という言葉について、あれこれ書かれているのですが、興味深かったのが以下のくだり:

筆者はほぼ全盲の視覚障害者で、普段は家族と同居しているのですが、デスクにずっと張り付いて作業していると、いつの間にか日がくれていることがよくあります。
そういう状態で、家族が仕事部屋に入って来ると、もちろん真っ暗で驚かれる。
驚かれるので、以降はできるだけ時間をチェックして照明を点けるようにしたのですが、これはつまり「全盲者が晴眼者に配慮」している状態では無いか。

配慮という言葉、世間一般には強者/マジョリティと弱者/マイノリティの二項対立が連想されがちだったり、前者が後者に対して施すものというようなイメージがついてしまっているかの印象があります。しかし実際には記事にあるように、決してそんなことは無いのですよね。そもそも辞書的には心をくばること。他人や他の事のために気をつかうこと。というように定義されており、配慮をする側・される側の立場、関係については触れられていないわけで。

障害の有無に関わらず、全ての人々は何かしらの配慮を受けて生活している、と考えれば「合理的配慮」ということばも腑に落ちやすくなるのでは無いかな?となんとなく思った次第です。

確かにそういう可能性はありますね。個人的には、先述の印象から配慮という言葉を使うことを「どちらかというと」避けてきたように思うのですけど、それは言葉本来の意味を正しく捉えていない、誤った態度だったかもしれないと、反省しました。そのいっぽうでJIS X 8341の正式名称、「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス」を改めて考えてみると、「等」の一文字があいだに入っているとはいえ、「高齢者・障害者」と「配慮」を紐付けているように映るあたり、若干モヤモヤします。

ちなみにJIS X 8341はISO/IEC Guide 71に基づいて開発されたようなのですが、同ガイドは2014年に改正されており、それまでの「Guidelines for standards developers to address the needs of older persons and persons with disabiliteis」から「Guide for addressing accessibility in standards」へと、障害者や高齢者といった特定のユーザーへの言及を廃した、シンプルなタイトルに変更されています。その流れを汲むならば、JIS X 8341のタイトルも見直されて然るべきかなぁ、と思います。「アクセシビリティ」という言葉、それなりに普及したことですし(JIS Z 8071:2017は「規格におけるアクセシビリティ配慮のための指針」とされている)。

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