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Webアクセシビリティに関連してAppleが提訴された件

Webアクセシビリティが不十分であることを理由に企業が提訴されるのは、アメリカでは決して珍しいことではないと認識しているけれど、製品やサービスのアクセシビリティ確保に比較的熱心なことで知られるAppleが提訴された、という記事がTwitterで流れてきましたA new Class Action Lawsuit has been filed against Apple on behalf of those that are Legally Blind or Visually Impaired - Patently Apple)。

記事で興味深かったのが、まず訴えを起こしたHimelda Mendez氏は、Apple謹製のスクリーンリーダーであるVoiceOverではなく、Windows用で割とメジャーなJAWSを使っていた点。そして、Mendez氏の遭遇したアクセシビリティ上の障壁というのが

の4点であること。記事をよく読まないうちは、VoiceOverとJAWSの実装差異が視覚障害当事者に何か問題をもたらしたのかなと想像したのだけど(Appleの中の人が仮にスクリーンリーダーで自身のWebサイトのアクセシビリティを検証していたとしても、使うのはJAWSよりも自社製品のVoiceOverであろう)、これら4点はいずれもVoiceOverだろうとJAWSだろうと、他のスクリーンリーダーを使っていようと困るであろう点なのですよね。言ってしまえば、ごく基本的なレベルのことができていない、と指摘されているようなもの。

記事で言及されているように、AppleはWebアクセシビリティの重要性を認識していないわけではなく、実際カナダ向けのWebサイトについては、オンタリオ州の法律に対応すべくWCAG 2.0のレベルAに適合することをApple Canada Accessibility Policy & Planのなかで謳っています。AppleのWebサイト、厳密に検証したわけではないけれど、カナダ向けもアメリカ向けもつくりは一緒だろうから、アクセシビリティもそれほど大きくは違わなさそうなんですが(Mendez氏が訴えを起こしたのはニューヨーク南部地区)、どうなんでしょうね。提訴に至った背景、思惑が何であれ、とても興味深いと思いますし、事の成り行きを見守りたい感じです。少なくとも、来年のCSUNなんかで取り上げられる格好のネタになるのではないかな。

[ 2018-08-24 追記 ] スラドに関連スレが立った模様(Apple、Webサイトが視覚障害者を差別しているとして訴えられる | スラド アップル)。

[ 2019-08-13 追記 ] 書き忘れていましたが、後日談を4月にAppleを相手どったWebアクセシビリティ訴訟の顛末で書いています。

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